図1 デモンストレーションの様子
図1 デモンストレーションの様子
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 米Fulton Innovation社は、ワイヤレス給電によってモバイル機器間で電力をやり取りする技術を開発した。2013年1月8日に米国ラスベガスで開幕する民生機器の展示会「2013 International CES」の前日に開催された報道機関向けのイベント「Digital Experience!」でデモンストレーションを披露した(図1)。

 デモンストレーションは、タブレット端末からスマートフォンにワイヤレス給電によって電力を供給するというもの。タブレット端末には、受電だけでなく送電もできる機能を備えることで実現した。主に、スマートフォンが電池切れした際に、友人から電力を分けてもらう使い方を想定している。「スマートフォンの普及によって、電源のバックアップを考える必要性は日増しに高まっている」(同社)。

 米Fulton Innovation社は、ワイヤレス給電の業界団体であるWireless Power Consortium(WPC)の主要企業の1社。デモンストレーションにも、WPCが規定した「Qi」規格準拠のスマートフォンとタブレット端末の試作機を用いた。今回のような機器間の電力のやり取りはQi規格では規定されていないが「規格に盛り込めるようにしていきたい」(Fulton社)とした。