家電やデジタル機器の総合見本市「2013 International CES」が2013年1月8日(米国時間)に開幕する。1月6日(同)には、その先駆けとなるイベント「CES Unveiled」が開催された。これは、CESに参加する企業が会期中に展示する注目製品を一足早くお披露目する、報道関係者向けのイベント。大手メーカーだけでなく、独自に発表会を開催しない中小のメーカーも多数出展した。

 今年は市場動向を反映してか、スマートフォンやタブレット関連の周辺機器が目立った。スマートフォン関連では、IP電話器とiPhone/iPadドックスピーカーが一体化した仏invoxicaの「NVX610」や、仏Sculpteoの3Dプリンターでオリジナルのスマートフォンケースを作成できるアプリなど、日本では見られない製品やアプリもあった。

CES Unveiledの会場入り口。CESには出展しない企業も含めて約50社が製品を展示した

 大手メーカーで注目製品を数多く展示していたのが米レノボ。その中でも最も人を集めていたのが「Table PC」だ。テーブル型のタッチ操作対応パソコンで、画面サイズは27型。同時に10カ所までタッチできる。バッテリーを内蔵しており連続2時間まで動作する。説明員によると、2013年夏に1499ドル前後で発売する予定だという。

レノボの「Table PC」。同時に10カ所までの同時タッチを認識する。高い性能と大型画面を生かし、複数人でテーブルゲームを楽しむなど、これまでのパソコンにはない楽しみ方ができるとアピールしていた
Table PCではWindows 8が動作していた

 アクセスポイントなしに機器間で直接無線通信する「Wi-Fi Direct」を利用した10型のタッチ対応ディスプレイも公開した。USB 3.0で接続する有線タイプも用意する。いずれも解像度は1600×900ドットでバッテリーを内蔵している。無線モデルが449ドルで2013年後半、有線モデルは349ドルで春に登場予定という。

レノボが展示していた、USB 3.0で接続する10型のタッチ対応ディスプレイ
同じくレノボの、無線接続のタッチ対応10型ディスプレイ

 ノートパソコンの新製品として、ディスプレイ分離型のUltrabook「ThinkPad Helix」を展示した。ディスプレイはフルHDの11.6型でタッチ操作に対応。ディスプレイ部分にもバッテリーを内蔵しており、分離後は単体でタブレットとして使える。ディスプレイは、通常のノートパソコンとは逆向きにも接続可能だ。

 バッテリー駆動時間は、ディスプレイ部分単体で6時間。キーボードと接続したときは10時間だという。重量はノートパソコン形態のときに約1.8kg。ディスプレイ部分のみだと835gだ。価格は約1500ドルから。2月以降に各国で発売する。

Ultrabookの新製品「ThinkPad Helix」。液晶ディスプレイ部分を分離して使える
米国では2012年末に発売したばかりの「ThinkPad X1 Carbon Touch」。先行して発売したタッチ非対応モデルより厚みは増しているが、それでも20.85mm。重さは1.55kgだ。

 レノボ以外にも注目を浴びていたのが、韓国LG電子のスマートテレビ「84LM9600」。3840×2160ドット表示の84型で立体視(3D)表示に対応する。無線LAN機能を内蔵しており、リモコンでWeb閲覧が可能だ。2012年に韓国でテスト販売した機種で、一般向け発売時期は未定。価格は1万7000ドル程度になる見込みだという。

4K表示に対応した、韓国LG電子の84型3Dテレビ。競合各社もこのサイズのテレビを出展する