図1●米Delphi社が開発したスマートフォンと連携する車載デバイス
図1●米Delphi社が開発したスマートフォンと連携する車載デバイス
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図2●デモの様子
図2●デモの様子
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 米Delphi社は、自動車の走行履歴や状態をスマートフォンやタブレット端末などで確認できるようにする車載デバイスを開発した(図1)。米国ラスベガスで2013年1月8日(現地時間)に開幕する「International CES 2013」に出展する。同月6日(同)に開催された報道関係者向け事前イベント「CES Unveiled」で初披露した。「価格はまだ公開できないが、数週間以内に店頭に並ぶ予定」(同社)という。

 発表したのは、手のひらに収まる外形寸法の車載デバイスで、自動車のさまざまな情報を取得できるインタフェース「OBD2」のポートに接続して使用する。OBD2は主に点検用の規格として用いられており、米国では1996年以降に販売される車両への搭載が義務化されている。

 開発品には、米Verizon Wireless社の携帯回線を利用するCDMA方式の通信モジュールを内蔵する。車載デバイスを自動車に装着し、スマートフォンやタブレット端末に専用のアプリケーション・ソフトウエア(アプリ)をインストールすると利用可能になる(図2)。対応するOSは、「Android 2.2」以降と「iOS 5.0」以降。

 実現できる機能は例えば、走行経路の記録がある。開発品に自動車の位置情報を取得するためにGPSモジュールを備えている。取得したデータを携帯回線を用いてクラウド・サービス側に伝送し、リアルタイムで経路を確認できる。

 携帯回線とGPSを備えることは、自動車が盗まれた際にも有効だ。車両の位置情報を常に把握できるためである。専用アプリでは米国における緊急通報用の電話番号である「911」に即座に掛けられるようにしている。

 開発品を用いれば、スマートフォンを用いて遠隔から自動車のカギをオン/オフしたり、エンジンを掛けたりすることも可能。このほか、OBD2をインタフェースに採用しているため、車速やエンジンの状態などを把握できる。例えば、自動車が法定速度を超えて走り続けていたら警告音を鳴らすことや、エンジンの異常を示すデータを取得した際に点検を勧めるといった使い方がある。