写真1●日本HP エンタープライズグループ エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 常務執行役員 杉原博茂氏
写真1●日本HP エンタープライズグループ エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 常務執行役員 杉原博茂氏
写真2●日本HP エンタープライズグループ エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー・ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 尾﨑亨氏
写真2●日本HP エンタープライズグループ エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー・ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 尾﨑亨氏
写真3●日本HP エンタープライズグループ エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 HPネットワーク事業本部 事業本部長 多田直哉氏
写真3●日本HP エンタープライズグループ エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 HPネットワーク事業本部 事業本部長 多田直哉氏

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2013年1月8日、Software-Defined Network(SDN)の実現に向けたソリューションを発表した。

 日本HP エンタープライズグループ エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 常務執行役員の杉原博茂氏(写真1)は、HPが2009年に打ち出した「HP Converged Infrastructure戦略」で、サーバーやストレージ、ネットワーク、管理ソフトウエアなどの統合を推進してきたことに触れ、その延長として2012年にはITプラットフォームの最適化とリソースの柔軟な移動を実現する「HP Converged Cloud戦略」を発表したと説明。このConverged InfrastructureとConverged Cloudに、ソフトウエアで定義されたサーバー、ストレージ、ネットワークを組み合わせると「Software-Defined Data Center」が生まれるとし、「2013年にHPは、このSoftware-Defined Data Centerを推進していく」と述べた。

 今回、日本HPが発表したのは、Software-Defined Data Centerのネットワーク部分を司るSDNのソリューションだ。日本HP エンタープライズグループ エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー・ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部の尾﨑亨氏(写真2)によると、SDNの構成要素はインフラストラクチャー層、コントロール層、アプリケーション層の3つで、HPではこのそれぞれの階層すべてにおいて製品やサービスを提供するという。

 まずアプリケーション層では、ネットワークサービスの展開を自動化するオープンでプログラム可能な製品を提供する。具体的には、OpenStackと連携してクラウドサービスのネットワーク配備を自動化する「HP Virtual Cloud Network」、セキュリティ対策を総合的に実現する「HP Sentinel Security」を2013年下半期より提供する。

 コントロール層では、「HP Virtual Application Network SDN Controller」を提供する。これは、物理ハードウエアを論理的な環境から抽象化し、インフラストラクチャー内のすべてのデバイスのネットワーク設定を自動化、一元表示するという。同製品も2013年下半期の提供を予定している。

 インフラストラクチャー層では、複数のデータセンターのレイヤー3(L3)網を利用してレイヤー2(L2)接続する技術「Ethernet Virtual Interconnect」(EVI)テクノロジーを同日より提供する。EVIにより、最大8拠点の相互接続と、4000以上のVirtual LAN(VLAN)の処理が可能になる。また、同時発表した「Multitenant Device Context」(MDC)テクノロジーは、1台の物理スイッチを最大4個の論理スイッチとして仮想化する。EVIとMDCを連携することで、最大32テナントが実装可能になるという。

 日本HP エンタープライズグループ エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 HPネットワーク事業本部 事業本部長の多田直哉氏(写真3)は、IDCおよびDell'Oro Groupの調査結果から、2012年第1四半期~第3四半期におけるHPのネットワーク製品のシェアが世界で18%、日本では5%であることを明らかにした。この状況を、「日本でのネットワーク事業はまだ伸びるチャンスがあるということ」と前向きに表現。今回発表した製品に加え、4月にはチャネルプログラムを強化することにより、「3年以内には日本でのシェア20%以上の獲得を目指したい」としている。