写真●CRB-PMX404の外観
写真●CRB-PMX404の外観
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 ピーエスアイは2012年12月21日、Amazon S3へのリモートバックアップ機能を備えた小型の業務用NAS(ファイルサーバー)機器「CRB-PMX404」(写真)の販売を開始した。リモートバックアップソフトをバンドル供給するグロービクスが12月28日に発表した。ピーエスアイによると、出荷時期は28日現在調整中で、2013年になる。

 CRB-PMX404は、ハードディスクを4台搭載し、RAID 6構成で利用する。実容量に応じて、2Tバイト、4Tバイト、6Tバイトの3モデルを用意した。OSはWindows Storage Server 2008 R2で、RAID 6機能はマザーボード上にハードウエアで実装している。

 最大の特徴は、Amazon S3へのリモートバックアップ機能を搭載したこと。具体的には、グロービクスが開発して2012年春から提供しているソフト「クリプトリモートバックアップ」をバンドルした。同ソフトの使用料金(Amazon S3の使用量を含む)を別途月額制で支払うことで、リモートバックアップ機能を利用できる。契約容量は、最小5Gバイト~最大1Tバイトである。

ファイルごとに個別のAES暗号鍵を使用、その暗号鍵もRSAで暗号化

 バックアップソフトは、Amazon S3にファイルをバックアップすることを前提に、ファイル単位の暗号化による情報漏洩の防止や、ファイルのハッシュ値を管理することによる改ざんの検知機能に注力している。さらに、Amazon S3へのネットワーク転送時にはSSHを使って通信経路を安全に保つ。

 ファイルの暗号化については、個々のファイルごとに独立した暗号鍵(128ビットAES)を生成して使う。さらに、ファイル暗号化に使ったAES暗号鍵を、RSAで暗号化する。RSAのキーペア(公開鍵/秘密鍵)は、バックアップタスクを設定するごとに再生成する。暗号化の所要時間は、100Gバイト(75万ファイル/6万フォルダー)で約3時間という。

 価格(税別)は、容量2Tバイトに「クリプトリモートバックアップ」をバンドルしたモデルで36万5000円。クリプトリモートバックアップの利用料金は、10Gバイトで月額9400円、100Gバイトで月額3万6000円など。