米McAfeeは現地時間2012年12月27日、来年のサイバー脅威に関する予測分析を発表した。それによると、2013年はモバイルデバイスがいっそうサイバー犯罪の脅威にさらされるようになるという。 また、国際的ハッカー集団「Anonymous」の影響力の低下、インフラ破壊を狙う大規模な攻撃の増加などを、同社は予測している。

 2012年はシステムやデータを“人質”にとるランサムウエアがモバイル分野にも広がるとともに、モバイルユーザーを狙う脅威が劇的に増加した。2013年はランサムウエアの手口がさらに巧妙になり、より広く使われるようになる。ユーザーの許可を得ずにアプリケーションを購入するマルウエアや、NFC(近距離無線通信)対応の電子決済機能を悪用してお金を盗む攻撃も増えると見られる。

 Anonymousの活動は、技術の高度化が鈍るのに加え、ユーザーが手口を学習していることで、成功率が低下する。2013年にハクティビストの活動が終了することはないだろうが、攻撃件数も巧妙さも低下する。

 その一方で、従来より国家や軍がサイバー攻撃に関わったり、攻撃を受けたりするようになり、愛国主義を掲げる集団が積極的にサイバー世界での活動を展開するようになる。

 またMcAfeeは、最近、できる限り甚大な損害を与えることのみを目的とした攻撃を数件確認していることについて触れ、こうした行為が2013年に急速に増えるおそれがあると注意を促した。

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