米IDCは現地時間2012年12月26日、世界半導体市場に関する調査結果を発表した。それによると、2012年の市場規模は3040億ドルで、前年比1%未満の成長率にとどまる見通し。しかし、2013年は同4.9%成長し、3190億ドルに達する見込みという。

 IDCは、2011年~2016年に世界半導体市場が年平均成長率4.1%で拡大し、2016年の売上高が3680億ドルになると予測している。

 2012年は、パソコン需要の停滞、DRAMなどメモリーの価格下落、半導体の在庫整理が、世界的マクロ経済の不透明感や中国の景気減退、欧州債務危機、日本の不況などと相まって、世界の半導体需要に打撃を与えた。IDCは希望的要素として、スマートフォン、タブレット端末、セットトップボックス、車載エレクトロニクスが今後数年間における市場成長のけん引役になると指摘している。

 IDCの予測では、2013年第2四半期に需要バランスが整い始め、2013年後半に成長基調に回復する。中国、インド、ブラジルはGDP成長率が減速しているものの、スマートフォン、タブレット端末、車載エレクトロニクスは強い需要を維持する。米国では第4世代通信(4G)対応のスマートフォン、タブレット端末や電子書籍閲覧端末、ネットワークインフラ、セットトップボックスの導入が、今後5年間の健全な成長サイクルを後押しする。しかし日本と欧州は引き続き、最も低迷する地域となる。

 なお、米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、IDCは当初、2013年における世界半導体市場の成長率を6.2%、2016年の市場規模を3800億ドルと予測しており、今回の発表はこれを下方修正した形となる。

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