IDC Japanは2012年12月25日、2012年第3四半期(7~9月)の国内サーバー市場の規模が1133億円だったと発表した。これは前年同期の2011年第3四半期から5.9%の減少となる。出荷台数は14万4000台で、同9.4%減だった。

 製品分野別では、メインフレームが前年同期比プラス2.8%で、3四半期連続してプラス成長となった。金融業、流通業、製造業向けに大型機の出荷があり、特に金融業向けの更新案件が2012年に入ってから好調を維持しているという。

 メインフレーム以外のカテゴリーはすべてマイナス成長となった。IA64サーバーは、通信キャリア向けに大型案件があったものの、前年同期の出荷額にはわずかに達しなかった。RISCサーバーは、前年同期の「京」の出荷の反動で、2桁のマイナス成長となった。x86サーバーは、前期に続き情報サービス業向けの出荷が好調だったが、1000台を超える大型案件の件数は前年同期と比較すると減少した。

図●2012年第3四半期 国内サーバー市場ベンダーシェア【出荷額】
図●2012年第3四半期 国内サーバー市場ベンダーシェア【出荷額】
出典:IDC Japan(2012年12月)

 ベンダー別出荷額では、NECと富士通が同率で1位となった()。NECは、x86サーバーで通信業向けの大口案件を6期連続して獲得した。富士通は、同じくx86サーバーで金融業、製造業、情報サービス業向けに大口の出荷があった。

 3位は日本IBMとなった。同社はメインフレームで前年同期の出荷額を上回ったものの、他の製品分野が振るわなかった。IBMと出荷額シェア0.1ポイントの僅差で4位につけたのは日立製作所。同社はメインフレームで金融業向けの大型案件があり、出荷金額を大幅に増やしたほか、RISCサーバーでも官公庁向けにHPC専用モデルの大型案件が複数件あった。

 5位はすべての製品分野でマイナス成長だった日本ヒューレット・パッカード(日本HP)。デルは4期連続プラス成長だったが6位にとどまった。

 ベンダー別出荷台数では、NECが1位で、富士通が2位だった。両社の出荷台数の差は500台の僅差で、x86サーバーの出荷台数でやや勝るNECが首位を獲得した。3位は日本HPで、情報サービス業向けと製造業向けに大口案件があったものの前年同期のレベルには達しなかった。