総務省は2012年12月25日、電波の有効利用のための方策を検討してきた「電波有効利用の促進に関する検討会」の報告書を公表した。

 報告書は、総務省が8月に公表した中間とりまとめを踏襲し(1)電波利用環境の変化に応じた規律の柔軟な見直し、(2)利用者視点に立った電波の有効利用促進、(3)電波利用料の活用のあり方、の3章に章立てし、それぞれについて具体的な取り組むべきテーマを整理した。

 (3)の電波利用料の活用については「周波数の効率的な利用に資する技術の導入支援」を新たな使途として追加することとし、具体的な活用分野として、現在150M/400MHz帯で使用しているアナログ方式の防災行政無線と消防無線のデジタル化と、260MHz帯への移行に「一定の補助を行うことが適当」とした。

 また、2014年度~2016年度に適用する次期の電波利用料額の見直しに当たって、以下の5点について議論を深めていくこととした。(1)特性係数や新規参入事業者など軽減措置のあり方、(2)電波の経済的価値の反映のあり方、(3)免許不要局に対する電波利用料徴収の是非、(4)スマートメーターやM2Mなど新たな無線システムに対する料額設定のあり方、(5)オークションが導入された場合の料額設定のあり方、である。

 報告書の公表に先立って、11月17日から12月7日かけて実施していた意見募集では、(4)のスマートメーターやM2Mについて「利用料を減免すべき」「通信料が少なく占有率が低いことを勘案した検討が必要」といった意見が寄せられた。

 これに対して検討会は、「見直しに当たっては、他の無線局との公平性を確保しつつ、実際に電波利用料を負担する利害関係者(無線局免許人等)の意見を十分に踏まえながら、全体の中で検討を進める必要がある」としている。総務省は、2013年にオープンな検討の場を設け、スマートメーターなどの料額の在り方を含めた料額の見直しの方向性について、平成25年の夏頃までに方向性を得るとしている。

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