米Facebook傘下のInstagramが発表したサービス利用規約の変更に抗議の声が高まっている問題で、同社に対する集団訴訟が提起されたことを米英メディアが現地時間2012年12月24日に報じた。

 米Forbes英Reutersの報道によると、Instagramはユーザーの猛反発を受けて利用規約の変更撤回を発表したものの、米カリフォルニア州のユーザーが12月21日に、契約違反などを主張してサンフランシスコの連邦地方裁判所にInstagramを訴えた。Facebook広報担当のAndrew Noyes氏は「この訴訟はメリットが無く、当社は断固として争う構えだ」と述べているという。

 Instagramは12月17日、大幅に拡大しているInstagramコミュニティーに対応するためとして、プライバシーポリシーおよびサービス利用規約を変更することを明らかにした。プライバシーポリシーにはInstagramとFacebook間の情報共有を盛り込み、利用規約には新たに「権利」などの条項を設定した(関連記事:Instagramがプライバシーポリシーと利用規約を変更へ、Facebookと情報共有)。

 しかし、利用規約の変更内容から、Instagramはユーザーの投稿写真を勝手に販売したり、広告素材として使ったりしようとしているとして、猛抗議するツイートが「Twitter」サイトに多数投稿され、Instagramのアカウントの解約も相次いだ。この状況を受け、Instagramは翌18日に謝罪のコメントを発表し、「多くのユーザーは、Instagramがユーザーの同意を得ずに外部にユーザーの写真を販売すると解釈した。これは誤解であり、混乱を招く言葉を使った我々のミスだ」として、文章の調整に取り組んでいることを明らかにした(関連記事:Instagram、利用規約変更に対するユーザーの猛抗議に謝罪)。

 その後、12月21日付けの公式ブログ記事で、利用規約の改訂を一部撤回すると発表。ユーザーが最も懸念している広告に関して記述した条項を、2010年10月のサービス開始当初から使用していたオリジナルの利用規約の内容に戻すと述べた。またユーザーの写真が広告素材として使われるのではとの疑問については、「そのような意向は無い」と改めて強調した。

 ユーザーのフィードバックに対応した改定版利用規約は同社サイト上で確認できる。広告表示に関する問題の文章は元に戻ったが、集団訴訟に参加する権利を放棄する強制的仲裁(mandatory arbitration)条項は残っている。改定版プライバシーポリシーおよびサービス利用規約は2013年1月19日に施行される。