図●中堅中小企業における経営の課題(上位5項目、売上高増減別)、出典:IDC Japan(2012年12月)
図●中堅中小企業における経営の課題(上位5項目、売上高増減別)、出典:IDC Japan(2012年12月)
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 IDC Japanは2012年12月20日、従業員規模999人以下の国内中堅中小企業のIT支出動向を発表した。国内中堅中小企業のIT市場は、国内経済が不透明なことから低い成長率にとどまっているが、業績が堅調な中堅中小企業ではIT支出が堅調に拡大しているという。

 IDCは、2011会計年度の売上高が増加した中堅中小企業のIT支出動向について、業績が堅調なことからIT支出も拡大した企業が多く、2012年度のIT支出予算が「増加」したと答えた企業が48.3%にのぼったとしている。こうした企業において、IT支出予算が「減少」したとの回答率は13.0%にとどまった。IDCでは、2013年度以降も業績が堅調な中堅中小企業でIT支出の拡大が継続すると見ている。

 IT支出の優先度については、セキュリティ強化とコンプライアンス対応の項目で高くなっているという。また、社内情報共有など社内体制強化に注力する企業も多いとしている。

 売上高が増加した中堅中小企業において経営課題となっているのは、さらなるビジネスの拡大や、従業員の育成、人材不足などだ。IT導入/運用の課題においても要員不足を挙げる企業が多いことから、IDCでは「こうした企業では、導入/運用の負担軽減が可能なパブリッククラウドを積極的に活用しており、業務支援を目的としたスマートフォンやタブレットなどの採用率も高い」と分析している。