今回の「数独」Excelファイルで生成される問題の例(英ソフォスの情報から引用)
今回の「数独」Excelファイルで生成される問題の例(英ソフォスの情報から引用)
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 セキュリティ企業の英ソフォスは2012年12月19日、人気パズル「数独」の問題を生成する特定のExcelファイルに、ウイルスが仕込まれていることを確認したとして注意を呼びかけた。問題を生成しようとしてExcelのマクロ機能を有効にするとウイルスも動き出し、パソコンのシステム情報などが盗まれる。

 ExcelやWordのマクロ機能を悪用する「マクロウイルス」は以前から存在する。1990年代には大きな被害をもたらしたため、米マイクロソフトはマクロ機能を初期設定で無効にした。それにより、マクロウイルスによる被害は激減し、現在ではそれほど出回っていない。

 今回のマクロウイルスについては、ユーザー自身がマクロを有効にすることで感染する恐れがある。数独の問題を作成するには、マクロを有効にする必要があるためだ。このExcelファイルは、マクロを有効にするための手順も紹介している。

 数独の問題を生成するためにユーザーがマクロを有効にすると、問題を生成するプログラムだけではなくウイルスも動き出して、パソコンの情報を盗む。

 具体的には、「ipconfig」コマンドで表示されるようなシステム情報や、「tasklist」コマンドで表示されるような実行中のプログラムやサービスの情報などが、特定のメールアドレス宛てに送信される。

 今回のように、マクロ機能を備えたソフトの文書ファイルには、ウイルスが仕込まれている危険性がある。このため、マクロ機能を有効にする際には十分注意する必要がある。