写真●Express5800/E120d-1(2.5型ドライブ/バッテリ内蔵モデル)の外観
写真●Express5800/E120d-1(2.5型ドライブ/バッテリ内蔵モデル)の外観
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 NECは2012年12月19日、停電時に安全にOSをシャットダウンするためのバッテリーを内蔵したPCサーバー機「Express5800/E120d-1」(写真)を発表、同日販売を開始した。12月26日に出荷する。外付けのUPS(無停電電源装置)と比べて、電力効率が高まるほか、省スペース化が図れる。同社がサーバー本体の電源供給用にバッテリーを内蔵するのは、今回が初めて。

 最大の特徴は、UPSの代わりとなるバッテリーを本体に内蔵すること。1Uラックマウント型のきょう体に、標準で1個、最大で2個のバッテリー(ニッケル水素型)を搭載する。これにより、停電時には、最小3分(高負荷時)から最大15分(低負荷時)の間、サーバー機に電源を供給できる。この間にOSを安全にシャットダウンできる。バッテリーはサーバー機と同様に約5年間使えるので、基本的にはバッテリーの交換は不要という。

 PCサーバー機全体におけるE120d-1の位置付けは、主にデータセンターに向けて省電力などに注力した「ECO CENTER」シリーズのラックマウント機(1UにCPUを2個搭載可能)というものであり、既存機種「E120b-1」の後継に当たる。従来機との比較では、きょう体内部の空調を改善してファン回転数を抑えたことなどによって消費電力を14%削減した、としている。

 さらに、UPSを使わないことで、電源変換ロス(UPSへの入力時のAC/DC変換と、サーバーへの出力時のDC/AC変換によるロス)を無くしている。これにより、消費電力を5%削減したという。E120d-1の場合、UPSを介しての電源供給とは異なり、サーバーに対する入力電源のAC/DC変換だけで済む。

 E120d-1は全3モデルで構成しており、バッテリーを内蔵しないモデルも用意している。それぞれの価格(税別)は、(1)「2.5型ドライブ/バッテリ内蔵モデル」が31万6000円から、(2)「2.5型ドライブモデル」が24万6000円から、(3)「3.5型ドライブモデル」が29万2000円から。

高密度サーバーにPentium 1CPUモデルを追加

 ECO CENTERシリーズには、ラックマウント型のE120d-1のほかに、2Uのシャーシに4台のサーバーモジュールを搭載する高密度サーバー機がある。今回、E120d-1の販売に合わせて、高密度サーバー機のラインアップも拡張した。2CPUソケットの既存機種「E120d-M」のほかに、1CPUソケットの新機種「E110d-M」を新たに追加した。

 1CPUソケットとすることで、2CPUソケットでは選択できなかった低消費電力/低価格CPUであるPentium 1403(2.60GHz)を選べるようになった。これに対して、2CPUソケットの場合、CPUの選択肢がXeon E5-2400ファミリーに限られていた。モジュール1台当たりの価格は、1CPUソケットのE110d-Mが20万1000円から、2CPUソケットのE120d-Mが22万1000円から。