写真●2013年3月から相互利用が可能になるICカードの一部
写真●2013年3月から相互利用が可能になるICカードの一部
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 東日本旅客鉄道(JR東日本)などJRグループ5社、PASMO協議会、スルッとKANSAI協議会、福岡市交通局など10の交通事業者・協議会は2012年12月18日、それぞれが発行する交通系ICカード(写真)の全国相互利用サービスを2013年3月23日から開始すると正式に発表した。1枚のICカードを持てば、全国の交通機関や店舗で利用できるようになる。地域・用途ごとに普及が進んできたICカード・電子マネーは新たな段階に進むことになる。

 これらの事業者は2010年12月に相互利用の計画を表明し、情報システムや制度面の準備を進めてきた。従来は、個別の事業者間ではICカードの相互利用が可能なケースもあったが、地域をまたぐときなどに不都合があった。例えば、関東の私鉄・バスで組織するPASMO協議会のICカードPASMO(パスモ)を持っている場合、JR東日本のICカードSuica(スイカ)のエリア内では相互利用できるが、他の地域(中京圏、関西圏、九州など)に旅行した場合には利用できず、その地域のICカードを別途購入する必要があった。

 2013年以降は10種類のICカードのうち1枚を持っていれば、地域・事業者にかかわらず、どの駅・バスでも利用できるようになる。利用可能な交通機関の合計は鉄道52事業者4275駅、バスは96事業者2万1450台に上る。

 10種類のうち、関西私鉄・バスのPiTaPaを除く9種類のICカードでは、電子マネー機能の相互利用も可能になる。加盟店数は合計約20万店舗に上り、競合電子マネーの楽天Edy(約30万店舗)に次ぐ規模となる。

 対象となるICカードは、Kitaca、PASMO、Suica、manaca、TOICA、PiTaPa、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCAの10種類。交通系ICカードの大多数を網羅するが、中小私鉄・バス会社などが独自に発行するICカードは相互利用の対象外になる。

[JR東日本の発表資料(PDF)]