Web関連技術の標準化を進める非営利団体であるW3C(World Wide Web Consortium)は現地時間2012年12月17日、Web上のコンテンツをマークアップするための言語であるHTML(HyperText Markup Language)の最新バージョン「HTML5」および、Webページ上に2Dグラフィックスを描くための仕組みである「Canvas 2D」の仕様策定を完了したと発表した。

 HTML5の最終的な標準化完了(勧告化)は、2014年の第4四半期(Q4)を予定しており、それまでの期間はWebブラウザー同士の実装の違いがもたらす「ブラウザーフラグメンテーション」を減らし、相互運用性などを高めるための実装およびテストフェーズ(「勧告候補」フェーズ)と位置付けられている。

 具体的にW3Cでは、同フェーズにおいて、仕様策定が完了したHTML5をWebブラウザーが確実に実装して相互運用性を保つことができ、HTML5の仕様に準拠したオーサリングツールやコンテンツマネージメントシステム(CMS)、サーバー、メーラー、その他のWebツールを正しく実装できるように、コミュニティと連携しながら様々な活動を実施していくという。

 今回の仕様策定完了に当たってW3Cは、HTML5の歴史ほぼすべてに携わってきたエディターである米グーグルのIan Hickson氏をはじめ、現在のHTML WG(ワーキンググループ)共同議長である米マイクロソフトのPaul Cotton氏、米IBMのSam Ruby氏、米AppleのMaciej Stachowiak氏の3氏、仕様策定を支援した現在のエディターなどに対して感謝の意を表している。

 なおW3Cでは今回、HTML5を拡張する次期HTML標準である「HTML5.1」および「Canvas 2D, Level 2」についても第一草案(ドラフト)を併せて発表している。現在の計画では、HTML5.1は2016年の第4四半期に勧告化予定となっている。