写真●SmartOn ID Appの画面
写真●SmartOn ID Appの画面
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 ソリトンシステムズは2012年12月14日、ICカードによるユーザー認証兼SSO(シングルサインオン)システム「SmartOn ID」の機能を拡張するオプションソフトとして、パソコン同様にAndroid/iOS端末から業務システムにSSOできるようにする「スマートデバイスオプション」(写真)を発表した。12月20日に出荷する。

 同オプションを使うと、Android/iOS端末上で専用アプリケーションを立ち上げてパスワード認証を受けるだけで、個別にID/パスワードを入力することなく社内の業務システムにアクセスできる。業務システムの認証画面には、適切なID/パスワードを自動入力する仕組みになっている。URLリストとID/パスワードのリストは、専用アプリケーションが管理サーバーに問い合わせて入手する(ローカルにキャッシュされ、パスワードを連続で間違えるとキャッシュが消去される)。

 前提となるSmartOn IDは、ICカードによるユーザー認証システムである。パソコンに接続されたICカードリーダーにICカードをかざしてパスワード認証を経ることで、パソコンを使うためのログイン認証が完了する。付加機能として、SSO機能を備える。クライアントソフトと管理サーバーが連携動作することによって、ID/パスワードを自動入力する形態のSSO機能が利用できる。

 今回のスマートデバイスオプションは、パソコンでこれまで使っていたSSO機能の対象ソフトを、Android/iOSにまで拡大するものである。パソコン用のクライアントソフトとの違いは、ICカードを前提とせずに、パスワードだけで利用できるようにしていること。これは、ICカードリーダー機能を持たない端末が多く、その一方で端末を他人に使われてしまう可能性が低いため、である。

 価格(税別)は、以下の通り。前提となるSmartOn IDの必要なサーバー機能一式で72万円。オプション部分は、Android/iOSとSmartOn IDシステムを連携させるサーバー「MARSサーバー」が36万円、Android/iOS端末側にインストールする「SmartOn ID App」が端末当たり4800円。利用できるAndroid/iOSのバージョンは、Android 2.3/4.0およびiOS 5.0/6.0。

 なお、今回のオプションに合わせて、管理サーバー側の関連機能も強化した。具体的には、会社で使うICカードを紛失/忘れた際にパスワードだけでシステムにアクセスできるようにする「代用コード」(臨時パスワード)について、これを申請/発行するワークフローシステムを強化した。

 代用コードとは、ログイン回数などを限定した臨時パスワードである。これまでは、管理者が手動で払い出す必要があった。これを改善し、申請/発行までのプロセスをWebアプリケーションとして自動化した。この仕組みを利用できる対象Webブラウザーは、2012年12月現在、Android/iOS端末だけである(2013年以降にパソコンからの申請/発行も可能にする予定)。