米IHS iSuppliが現地時間2012年12月14日に公表した世界の半導体売上高推計によると、2012年の年間売上高は2011年の3100億ドルから約2.3%減少し、3030億ドルにとどまる見通し。2011年における売上高は前年比1.3%増だったが、2012年は大きく落ち込み、2年前の水準も下回ると同社は予測している。

 IHS iSuppliが予測する2012年第4四半期(10~12月)の半導体売上高は、前の四半期比で0.7%減。同社によると、半導体市場の成長は消費者支出に依存するところが大きい。年末商戦の最終結果はまだ出ていないが、消費者市場における販売低迷への圧力は弱まる兆候はないという。このまま景気が回復しなければ、第四半期の売上高は現在の予想値を下回り、年間売上高はさらに落ち込む可能性があると同社は予測している。

 パソコンなど年末商戦向けのエレクトロニクス製品に使われる半導体は、すでに初期発注が終わっている。11月末が年末商戦向け製品の2回目の発注時期だったが、この時期の発注量は1回目より小さい。また同社は、今後短期的に見て半導体の需要を著しく押し上げる要因はないと見ている。もう一つの懸念材料として、エレクトロニクス製品のメーカーが依然として半導体在庫を抱えていることも挙げている。これにより新規発注に遅れが生じているという。

 IHS iSuppliは世界の半導体市場が2013年第1四半期(1~3月)に一時的に回復すると見ているが、これは同社が先に予測していた時期から3カ月以上の遅れ。それでも依然として市場回復を妨げる要因があり、「この先何が起きてもおかしくはない」としている。

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