写真●Enterprise Architectの画面
写真●Enterprise Architectの画面
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 スパークスシステムズジャパンは2012年12月14日、UMLモデリングソフト「Enterprise Architect」(写真)の新版(バージョン10.0)を発表、同日出荷を開始した。新版では、SysML1.3やGMLなどの新しい表記法を使えるようにしたほか、モデリング時の操作性を高めた。開発会社は、オーストラリアのスパークスシステムズ(SparxSystems)。

 UML/BPMNなどのモデリング言語を使って情報システムを設計するソフト。モデル図からのソースコード(スケルトン)の生成や、ソースコードからのモデル図のリバース生成ができる。利用できる言語は、C/C++、Java、C#、VB.NETなど10種類。システムに付随する、データベース構造言語(DDL)、XML Schema(XSD)、WSDL、などもモデリング/生成できる。

 新版では、モデリングの表記方法として、SysML 1.3とGML(Geography Markup Language)を追加した。SysMLは、UMLをベースに、システム機能やハードウエアを想定した設計ができる表記法である。一方、GMLは、地理情報システム(GIS)で利用される情報交換方式である。

 新版ではまた、モデリング時の操作性を強化した。特にシーケンス図の自動生成機能(アプリケーションの実際の動作内容を元に、条件分岐などを廃したシーケンス図を自動生成する機能)を高めた。対象とする実行形式プログラムを拡大し、Androidアプリケーションや遠隔マシン上のJavaアプリケーションについてもシーケンス図を生成できるようにした。

用途と機能に応じて全6エディションで構成

 Enterprise Architectのエディションは3種類。(1)「デスクトップ版」は、最下位エディションで、開発者個人でのUML/BPMNモデリングに向く。ソースコードの生成機能は備えない。(2)「プロフェッショナル版」は、中位エディションで、開発者5人程度に向く。UMLからソースコードの生成ができる。(3)「コーポレート版」は、上位エディションで、中規模以上の開発チームに向く。アクセス権限管理や、UMLモデルをOracle DatabaseやSQL Serverに配置して共有する機能を持つ。

 さらに上位に位置するEnterprise Architect Suiteも、3種類ある。(4)「ビジネスモデリング版」は、業務アプリケーション開発に向く。BPMNからBPELへの変換や、内部処理を含むソースコード出力などができる。(5)「システムエンジニアリング版」は、ハードウエア系システムの設計に向く。SysMLなどを使って、C/C++やJavaなどに加えて、SystemCやVHDLなどを生成できる。(6)「アルティメット版」は、ビジネスモデリング版とシステムエンジニアリング版を兼ね備える。

 流通形態に応じて、ダウンロード版とパッケージ版を用意している。ダウンロード版の1ライセンス当たりの価格(税込み)は、デスクトップ版が1万7325円、プロフェッショナル版が2万5725円、コーポレート版が3万975円。ビジネスモデリング版とシステムエンジニアリング版は、7万7700円。アルティメット版は、9万8700円。