写真1●マイケル・デル会長兼CEOは、Dell World 2012の基調講演で「Convergence is key」と掲げ、垂直統合型アプライアンス製品の拡販に向けた意気込みを語った
写真1●マイケル・デル会長兼CEOは、Dell World 2012の基調講演で「Convergence is key」と掲げ、垂直統合型アプライアンス製品の拡販に向けた意気込みを語った
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 米デルは2013年2月にも、垂直統合型アプライアンス製品「Active System 800」を日本で発売する。米テキサス州オースティンで2012年12月12日(現地時間)に開幕した同社の年次カンファレンス「Dell World 2012」で発表した。

 「コンバージェンスがカギを握る」。Dell Worldの基調講演に登壇したマイケル・デル会長兼CEO(最高経営責任者)はこう述べ、垂直統合型アプライアンス製品をエンタープライズ・ソリューション事業の中核の一つに据えることを宣言した(写真1)。

 Active Systemは、デルが2012年10月に米国で発表した垂直統合型アプライアンス製品ファミリー「Active Infrastructure family」の一つ(写真2)。ブレードサーバー「PowerEdge M620」やストレージ「EqualLogic PS6110」、ネットワークスイッチ「Force10 S4810」、管理ソフト「Active System Manager」を実装してユーザー企業に納入し、数時間で仮想環境を構築できるようにする。

写真2●Dell World 2012の展示会場でお披露目した垂直統合型アプライアンス製品「Active System 800」
写真2●Dell World 2012の展示会場でお披露目した垂直統合型アプライアンス製品「Active System 800」
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 「サーバーやストレージ、ネットワーク機器がピーナツバターやジャム、パンだとすれば、Active Systemはサンドイッチ」。デル会長兼CEOはActive Systemをこう例え、仮想環境の導入・展開の手軽さを強調した。

 もっとも、垂直統合型アプライアンス製品の分野で、デルはほとんど最後発。米IBMや米ヒューレット・パッカード、米オラクル、米VCEなど他の大手はユーザー企業での稼働実績を積み上げ始めており、市場争いはし烈を極めつつある。

 この点について、サーバーやストレージの事業を統括するエンタープライズ・ソリューション・グループ担当プレジデントのマリウス・ハース氏は、「競合は見当たらない。(Active Systemは)まったくユニークな製品」と豪語する(写真3)。「他社は(システムの)オペレーション効率ばかりに目が向いているが、当社はオペレーション効率とコストの両面でメリットを提供できる」というのが根拠だ。

写真3●報道陣の質問に答えるマイケル・デル会長兼CEO(中央)と、エンタープライズ・ソリューション・グループ担当プレジデントのマリウス・ハース氏(右)
写真3●報道陣の質問に答えるマイケル・デル会長兼CEO(中央)と、エンタープライズ・ソリューション・グループ担当プレジデントのマリウス・ハース氏(右)
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積極買収でポートフォリオ拡充、ソフト事業やサービス事業を強化

 ソリューション企業への変貌を志向するデルは2010年から積極的な企業買収に乗り出し、2012年末までに20社前後を買収している。Dell World 2012では、買収によってポートフォリオを拡充してきたソフトウエア事業とサービス事業の強化も発表した。

 例えば、SecureWorksの買収で手に入れたセキュリティ・リスク・コンサルティング・サービスのグローバル展開を2013年初めに本格化する。また、リモートシステム管理のKACEやデータベース保護・監視のQuest、ネットワークセキュリティ保護のSonicWALLなど、買収した企業の製品を統合したシステム管理製品「Dell CIO Powerboard」を同時期に発売する。

 なお、Dell Worldの開催は昨年に続き二回目。今回は国内外からユーザー企業やパートナー企業の関係者約6200人が参加している。

■変更履歴
詳細な情報および写真を追加しました。[2012/12/14 14:50]