写真●リンクトイン・ジャパン 人事マネージャーの杉本隆一郎氏
写真●リンクトイン・ジャパン 人事マネージャーの杉本隆一郎氏
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 これまで社会人向けSNSとして知られてきた「LinkedIn」が、学生の就職活動に活用してもらう取り組みを始めている。この取り組みの一環としてリンクトイン・ジャパンは2012年12月11日、デジタルハリウッドと共同で学生に向けたLinkedIn活用セミナーを開催した。

 講師を務めたのは、リンクトイン・ジャパン 人事マネージャーの杉本隆一郎氏(写真)。杉本氏は、一般的なLinkedInの使い方として、「自分を人に知ってもらうこと、いろいろな人を検索すること、そして人とつながることの3つがある」と紹介した。

 具体的には、自分のプロフェッショナルな経歴をLinkedInで公開し、ビジネスに特化した情報を多くの人に伝えることが「自分を知ってもらうこと」だ。2つ目の検索については、企業の採用担当者や起業家が、自社や自分にないスキルを持った人を探すために使う方法のこと。最後の「つながること」は、ビジネス上で知り合った人たちとつながり、コンタクト先や経歴を共有するというSNSの原点を指す。

 ここに挙げた使い方は主に転職などを想定した利用法だ。しかし杉本氏は、「新卒の学生でもLinkedInを活用する方法がある」と言う。

 そのひとつは、就職活動におけるOB、OG探しだ。LinkedInには同窓生ページが用意されており、「コンタクトしたい卒業生を探すことができる」と杉本氏。卒業生の在籍期間や、現在の勤務先、勤務地などで絞り込むことも可能だという。またLinkedInには、直接自分とつながっていない人でも共通の知り合いなどに依頼してコンタクトしたい人を紹介してもらう「紹介リクエスト」機能が存在し、この機能を活用してつながりを広めることもできる。

 また、LinkedInには会社ページも存在しており、このページで気になる会社に勤めている人の経歴を見ることも可能だ。会社ページからは、この会社に勤めている人の前職統計データなども閲覧でき、「もし新卒で入社する人がいないような会社であれば、どのような職歴を積んでこの会社にたどり着いたのか確認し、自分の希望する会社にたどり着く道を考える手もある」と杉本氏はアドバイスする。

 さらに杉本氏は、「自分が将来こうなりたいと思うロールモデルを探し、その人の経歴を参考に自分のキャリアパスを描いてみよう」と勧めている。「数年後になりたい自分を見つけることで、今自分は何をすべきなのか、卒業後どのような進路を進むべきなのか、考えることができるはずだ」(同氏)。

 最後に杉本氏は、「学生は企業に履歴書を提出し、選ばれる立場でしかないと感じているかもしれないが、LinkedInを使って多くの人の経歴を確認した上で選考に挑むと余裕も出てくるだろう。就職活動時に入手する企業情報といえば、通常会社側が発信する表向きの会社案内が中心だが、LinkedInで実際に働いている人たちの情報を得ることで、表からは見えない会社の中身が少し見えてくるはずだ」と述べた。