写真1●UNIVERGE PF5248の外観
写真1●UNIVERGE PF5248の外観
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写真2●UNIVERGE PF5220の外観
写真2●UNIVERGE PF5220の外観
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 NECは2012年12月12日、OpenFlowスイッチのラインアップを拡張し、ポート数を半減させて中小規模でも導入しやすくしたモデルなど2機種(写真1写真2)を新たに追加した。同時に、OpenFlowコントローラー機器のソフトウエアをアップデートし、経路切替の高速化やIPv6ルーティングといった新機能を追加した。いずれも、12月27日に販売開始する。

 新機種の一つ「UNIVERGE PF5220」は、1Gビット/秒のポートを24個搭載した小型のサーバーエッジスイッチである。価格(税別、以下同)は139万円から。既存機種「UNIVERGE PF5240」(250万円から)と比べてポート数と処理性能を半減させて価格を抑え、より導入しやすくしている。

 もう一つの新機種「UNIVERGE PF5248」は、10Gビット/秒のポートを8個搭載した機種であり、コアだけでなく10Gビット/秒でサーバーを直収するエッジとしての利用も想定している。価格は215万円から。10Gビット/秒の多ポートスイッチには既存機種の「UNIVERGE PF5820」(10Gビット/秒×48ポート)があるが、こちらはエッジ用途ではなくコアやアグリゲーション用途である。

 なお、二つの新機種の追加により、Hyper-Vの仮想スイッチにOpenFlow機能を追加拡張する「UNIVERGE PF1000」(スイッチ台数に応じたコントローラー側のライセンスだけで利用可能)を含めると、同社のOpenFlowスイッチは全5機種体制となる。こうした製品ラインアップの拡張や機能拡張によって、OpenFlowの普及を促進したい考えだ。

コントローラーはOpenFlow規格を先取りして経路切替を高速化

 同日、OpenFlowコントローラー機器「UNIVERGE PF6800」のソフトウエアを機能強化した。同社のOpenFlow製品が準拠するOpenFlow規格は1.0だが、OpenFlow 1.2や1.3で取り込まれる規格の一部を先取りして搭載するなどして、経路切替の高速化(OpenFlow 1.3の機能)、IPv6ルーティング(OpenFlow 1.2の機能)、VLAN設定の簡素化(独自機能)、の三つの機能を強化した。

 経路切替の高速化では、回線障害時の復旧時間を「従来の10分の1に短縮できる」としている。従来は、経路を迂回させる場合、回線を通る個々のフロー(サーバーやアプリケーションの通信の定義)ごとに、切り替えを指示する必要があった。新版では、同様のフローをグループ化して管理するやり方によって、単一の指示で複数のフローに関して経路を切り替えられるようにした。

 VLAN設定の簡素化では、スイッチごとのVLAN設定を、コントローラーから実施できるようにして実運用時の運用負荷を軽減した。なお、そもそもOpenFlow環境下でスイッチごとにVLAN設定が必要になる理由は、ブロードキャストのトラフィック処理をコントローラーにさせたくない、というもの。ブロードキャストの処理をスイッチにオフロードするために利用する。