デジタルアーツが2012年12月10日まとめた未成年者の携帯電話使用実態調査で、女子高生のスマートフォン所持率が急増していることが分かった。またネット上で知り合った人と交流を深めていきたいと思う傾向が強く、半数超が「これから会いたい」あるいは「既に会っている」と答えた。

 10歳から18歳の未成年と保護者を対象に実施したネット調査で11月時点で聞いた。携帯電話を持つ未成年者全体の中のスマートフォン所有率は37.4%で前年の2.6倍となった。特に女子高校生は3.1倍の65.0%まで急増していた。さらに「今後、使う意向がある」も含めると、男子・女子高校生とも約93%に達する。

 全体に、未成年者がアプリを積極的に利用する傾向があり、SNS・ソーシャルアプリがよく使われている。高校生がネットで見知らぬ人と知り合うきっかけになっているのは、「Twitter」が男子で56.0%、女子で54.3%とトップ。2位は男子が「LINE」(40.0%)、女子が「mixi」(37.0%)と分かれた。一方、リアルな友だちとの連絡手段では、いずれも「メール」「電話」が多く利用されていた。

 また、ネットで知り合いになった人との連絡頻度は、男子高校生の26.7%、女子高校生の17.3%が「ほぼ毎日」。「週に数回以上」がともに過半数で、非常に高いことが分かった。相手について知っている情報は、「住んでいる地域」「年齢・生い立ち」「職業」などが多かった。

 ネットで知り合った人との関係性の意向は、未成年全体では「会うつもりはなく、これからもネット上だけでよい」と回答したのが55.6%と半数を超えていたのに対し、女子高校生では43.2%と少ない。逆に、「いずれ会ってみてもよい」(30.9%)、「できれば会ってみたい」(9.9%)、「既に会っている」(12.3%)と“リアル化”を望む比率は計53.1%に達し、さらに交流を深めたいと考える傾向が強いことが分かった。

 調査を監修した田村節子・東京成徳大学教授(心理学)は、子供がスマートフォンという便利なハードを使いこなして仲間を求めてゆくのは自然で素直な行動であるとした上で、便利なハードが身近に存在するようになったことで、これまで「一部の子どもだけの問題状況」と思われていた行動が、身近に起こりやすくなっていることも予感させる、とコメントしている。

 調査期間は11月9日~10日で、有効回答数は1236サンプル。マクロミルに委託した。