IDC Japanは2012年12月11日、PC、タブレット、スマートフォンを合わせた「スマートコネクテッドデバイス」の世界市場の動向を発表した。これによると、2012年第3四半期(7月~9月)におけるスマートコネクテッドデバイスの総出荷台数は、前年同期比27.1%増の3億360万台に達し、出荷金額は1404億ドルとなった。IDCでは、同市場が2016年まで好調を維持し、出荷台数21億台、出荷金額7967億ドルに達すると予測している。
スマートコネクテッドデバイス世界市場の2012年第3四半期の結果をベンダー別にみると、出荷台数ベースでは韓国サムスン電子が21.8%のマーケットシェアで2期連続1位を維持。米アップルは15.1%で2期連続2位となった。続いて中国レノボ・グループが7.0%、米ヒューレット・パッカード(HP)が4.6%、ソニーが3.6%の順となった(表1)。
サムスン、アップル、レノボは前年同期比でシェアを伸ばしたが、HPは事実上モバイル関連製品がないため、2011年第3四半期の7.4%から2012年第3四半期には4.6%とシェアを落とし、出荷台数でみても前年同期比20.5%減となった。
一方、出荷額ではアップルが341億ドル、平均単価は744ドルで、サムスンを抜いて1位となった。IDC ワールドワイド モバイルデバイストラッカーのプログラムマネジャーのライアン・リース氏は、「サムスンとアップルのトップ争いがこれまでにも増して激しくなっている。しかし平均単価を見ると、サムスンとアップルは市場に対して異なるアプローチを行っているのが分かる。アップルは、サムスンの総出荷台数より約2000万台少ないが、平均単価は310ドル高い。つまりアップルは、プレミアム製品群の販売を行うことによりサムスンと異なる戦略を採っている」と指摘している。
IDCは、クリスマスシーズンとなる2012年第4四半期(10月~12月)の見込みについても発表した。出荷台数は第3四半期から19.2%増、前年同期比で26.5%増の3億6200万台に達するとしている。出荷金額の見込みは1692億ドル。前期からPCが若干減少するものの、タブレットとスマートフォンが前年同期比でそれぞれ55.8%、39.5%と高い伸びを示し、クリスマスシーズンの需要をけん引するとしている。
マルチデバイス時代が到来
IDCでは、スマートコネクテッドデバイスの中で、デスクトップPCとポータブルPCを合わせたシェアが2011年の39.1%から2016年には19.9%にまで低下すると予測し、「マルチデバイスの時代が到来した」としている(図1)。
一方のスマートフォンは、スマートコネクテッドデバイスの主役となり、シェアは2011年の53.1%から2016年には66.7%にまで上がるとの見方を示している。タブレットも2011年の7.7%から2016年には13.4%まで伸びるとみており、その結果、スマートコネクテッドデバイスの平均単価は、2011年の534ドルから2016年には378ドルに下がるだろうとしている。
タイトルおよび本文で「サムソン」としていましたが、正しくは「サムスン」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2012/12/12 10:20]