オーストラリアのビクトリア州警察は現地時間2012年12月10日、米AppleのiOS 6に搭載されている地図アプリケーションに従ったため同州の国立公園内で道に迷い、遭難する自動車旅行者が相次いでいるとして、警告を発した。州警察はすでにAppleに連絡を取っており、地図アプリケーションを速やかに修正するよう求めた。また旅行者に対しては、ほかの地図サービスを使うよう注意を呼びかけている。
ビクトリア州警察によると、同州北西部の都市、ミルデュラに車で向かおうとした旅行者が国立公園内で救助される例が相次いでいる。警察がiPhoneで確認したところ、ミルデュラは地図アプリケーションでマレー・サンセット国立公園内に表示されており、実際の位置とは約70km離れていた。
マレー・サンセット国立公園は東西約100kmに及ぶビクトリア州で2番目に大きな国立公園。オーストラリアは現在夏季で、国立公園内の気温は46度に達することもある。また公園内には水道施設がない。このことからビクトリア州警察は「(Appleの誤った地図情報は)生命にかかわる問題になる恐れがある」と懸念を示している。
警察に発見された遭難者の中には、水も食料もない状態で、携帯電話の電波がつながる場所を探して24時間、危険地帯を歩いた人もいると警察は発表している。
なおAppleはすでに地図アプリケーションを修正したもよう。Wired.comは米国時間10日の時点で、ミルデュラは依然として間違った場所に表示されるものの、ナビゲーションは正確な道順を表示しており、ドライバーはミルデュラにたどり着けると伝えている。