写真●実証実験の概要(NTTの発表資料より引用)
写真●実証実験の概要(NTTの発表資料より引用)
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 キッチン用品やエクササイズDVDなどの通信販売を展開するオークローンマーケティング(OLM)と、三重テレビ放送、NTT(持株)の3社は2012年12月6日、地上デジタル放送の番組内に電子透かしを埋め込んだ新たなテレビショッピングスタイルの実証実験を行うと発表した。

 OLMが制作する通販番組「ショップジャパン」の映像の中に、NTTメディアインテリジェンス研究所が開発した「モバイル動画透かし技術」で記述した情報を埋め込み、三重テレビがその映像を放送する。実放送環境でモバイル電子透かしを使った実験を行うのは日本初という。

 モバイル電子透かしが埋め込まれた放送を利用するには、専用の透かし検出アプリをインストールしたスマートフォンが必要。アプリを起動してテレビにスマートフォンをかざすとIDを検出する。その後、IDにひもづけられたショップジャパンの商品購入サイトをブラウザーで表示する仕組みになっている(写真)。検出アプリはAndroid OSを搭載したスマートフォン用で、今回の実験では放送番組の中でQRコードを表示して視聴者にダウンロードを促す。

 電子透かしを埋め込んだショップジャパンの番組は、12月8日から12月30日にかけて放送する。三重テレビの地上デジタル放送が受信できる対象は約280万世帯である。

 モバイル電子透かしは、元の映像の中に複数の映像パターンを薄く加算することで記述するもので、人間の目には見えないという。NTTでは実験で、アプリの検出精度や検出にかかった時間などを測定し、実用性を検証する。また、オークローンマーケティングは、テレビを見ながら他の端末でインターネットを利用する「ながら利用」のシーンを想定した新たなコンタクトポイントの有効性を検証する。

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