Googleは2012年12月6日、「震災遺構デジタルアーカイブプロジェクト」を公開した(関連記事)。陸前高田市役所旧庁舎(写真1)、大船渡魚市場、福島県双葉郡浪江町の浪江町立請戸小学校(写真2)など、東日本大震災で被害を受けた施設や震災後も使用されている施設、新たに建設された施設、計34件の外観と内部を同社のストリートビューの技術により360度のパノラマ写真として閲覧できる。
震災遺構デジタルアーカイブは、Googleマップのストリートビューと、被災地の写真や動画を投稿するサイト「未来へのキオク」で公開している。公開済みの施設のほかに、既存の参加自治体で5件、新規参加の自治体で10件の施設を追加撮影する予定。
「私は東北の出身で、出身地には津波がここまで到達したことを伝える石碑があった。今回撮影した施設の中には、すでに解体が始まっているものもあると聞いている。震災の被害を最先端の技術で記録し、後の世代や世界に伝えたい」(Google クライシスレスポンスチーム グループプロダクトマネージャー 河合敬一氏、写真3)。
撮影にあたっては、施設を管理する自治体と交渉し、許可を得た。内部が立ち入り禁止になっている建物も、特別に許可を得て撮影した。福島県双葉郡浪江町のように、避難指示区域になっている場所もあるが、撮影のために許可を取った。
Googleでは、施設のデジタルアーカイブを希望する自治体や施設管理者を引き続き募集している。