米Facebook傘下の米Instagramと米Twitter間の摩擦が高まっている。TwitterでInstagramの一部写真が適切に表示できなくなった問題について、複数の米メディア(New York TimesForbesCNET News.comなど)が現地時間2012年12月5日に報じた。

 Twitterが同日「Status」ブログに投稿した声明によると、Instagramが「Twitter Cards」の統合を無効にしたことが原因という。Twitter CardsはWebサイトのコンテンツをツイート内に埋め込んで表示可能にするツールで、Twitterが開発者向けに公開している。「Twitter Cardsの連携が停止されたので、Twitter Cards導入以前の状態になるため、ツイート内のInstagramリンクをクリックすると写真がトリミングされた形で表示される」とTwitterは説明している。

 New York Timesは、InstagramのKevin Systrom最高経営責任者(CEO)がフランスのパリで開催されているカンファレンス「LeWeb」で、Twitterに写真を共有する機能を削除したことを認めたと報じた。同氏は「InstagramのユーザーをInstagramのWebサイトに誘導するため」にTwitterサイトでの写真表示を完全に打ち切る計画を明らかにし、「会社が進化すれば当然のことながら物事は変化する」と述べた。

 Instagramユーザーは引き続き、写真をアップロードする際にTwitterにコメントを投稿することはできるが、ツイート内のInstagramリンクをクリックしても写真はTwitter上では表示されず、InstagramのWebサイトに移動して表示されるようになる。

 またCNET News.comの報道によると、Systrom氏は「他のサイトではなくInstagramのWebサイトでより多くの人々に写真を見てもらうことを望む当社として適切な行動」と説明し、この判断がFacebookから求められたものではなく、同氏自身の考えであることを明言した。さらに、これはTwitterがInstagramの友達検索機能に制限を加えたことに対する報復ではないとも強調した。

 Instagramは11月にWeb版プロフィールの提供を開始している(関連記事)。Facebookのタイムラインに似たデザインになっており、下方にスクロールすると投稿写真のサムネイル画像が直近のものから順に並んで表示される。他のユーザーをフォローしたり、投稿写真に対してコメントを記入したり、ハート型アイコンをクリックして気に入ったことを意思表示したりできる。

 一方Twitterは、Instagramのような写真フィルター機能の提供を計画中と噂されている。同機能ではユーザーがInstagramを介すことなく加工写真をTwitterで共有できるようになる。今後数カ月以内にモバイルアプリケーションを刷新し、これに同機能を搭載する見通しだと報じられている(関連記事)。