写真●SkeedDeliveryの管理サーバー画面(配信状況を可視化)
写真●SkeedDeliveryの管理サーバー画面(配信状況を可視化)
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 Skeedは、P2P技術を使って大容量のデータを多拠点に一斉に配信できるようにしたデータ配信ミドルウエア「SkeedDelivery」(写真)を2012年11月30日に出荷開始した。バケツリレー方式で配信するので、データ配信サーバーにネットワーク接続が集中することがない。

 SkeedDeliveryは、P2P型のアーキテクチャーを採用したデータ配信ソフトである。データ配信の対象となるノードを指定するだけで、効率よくデータを配信するための経路を自動的に計算する。さらに、配信が始まってからも、配信状況(回線/ノードのダウンや配信の進行状況)に応じて、経路を動的に変える。

 モジュールは、配信元サーバーに導入する管理ソフトと、配信先サーバーのすべてに導入するノードソフトに分かれる。配信サーバーは、配信先ノードの選択に使うほか、配信状況の可視化に使う。経路の動的変更については、配信サーバーがノードに指示するケースもあるが、ノード同士が通信し合って自発的に計算する。

 将来的には、遠距離のファイル転送を高速化するプロトコル「SSBP」(SkeedSilverBulletProtocol)を採用する予定である。Skeedのファイル転送ソフト「SkeedSilverBullet」(関連記事)が採用しているプロトコルであり、通信距離に応じて遅延時間が増えても、遅延時間の影響を受けずに済むという特徴がある。仕組みとしては、ACKを待たずにパケットを送信するほか、必要以上に転送性能を抑えることなく、輻そうを起こさない程度に転送レートを自動調整する。

 価格(税別)は、配信サーバーが500万円で、HA構成(アクティブ・スタンバイ型)の場合は配信サーバー2台分で600万円。一方、ノードソフトは、最小規模となる1~9台の場合に、1台当たり20万円。10台以上ではボリューム割引がかかり、単価がもっとも安くなるケースでは、1台当たり4万円台。