ITベンダーのシー・エス・イー(CSE)は2012年12月5日、日本オラクルのERP(統合基幹業務システム)パッケージ「PeopleSoft Enterprise」に蓄積した人事情報を分析するためテンプレート「人件費予算ソリューション」の提供を始めた。PeopleSoft Enterpriseで管理している組織や個人のデータを利用し、部門ごとの人件費や、将来的な人件費の推移などを分析するシステムの構築を支援する。事前に分析軸を用意することで、プログラミングなしに人件費を分析したり、シミュレーションしたりできることが特徴だ。

 人件費予算ソリューションには、分析軸のほかにデータ連携ソフト「Essbase Cube Builder」を利用してPeopleSoft Enterpriseからデータを抜き出すための事前設定や、担当者が分析に利用する画面などが含まれる。「これまでアドオン(追加開発)ソフトとして、個別に開発することが多かった機能」(CSEの溝口貴エンタープライズシステム本部長)だ。

 人件費分析と人件費シミュレーションの二つの分野の分析軸を用意した。人件費分析では「部門別役職別」と「部門別従業員クラス別」の二つ、人件費シミュレーションでは「昇給」「賞与」「総合人件費」「新規採用者」の四つの分析ができる。分析画面はExcelのアドオンソフトとして提供するため、「プログラミングに慣れていない人事担当者でも操作可能だ」(同)。

 人件費の分析やシミュレーション機能は「グローバル企業で需要が高まっている」と日本オラクルアプリケーション事業統括本部の末兼達彦ビジネス推進本部長は説明する。「グローバルに展開している企業の場合、事業部門ごとの人件費の分析や、各国の経済状況を反映した人件費のシミュレーションなどの引き合いが多い」(末兼本部長)という。

 人件費予算ソリューションは導入費用込みで1500万円から。別途、PeopleSoft Enterpriseと多次元データ分析ソフト「Oracle Essbase」が必要になる。PeopleSoftの開発・動作環境である「PeopleTools」のバージョン8.52以上で動作する。導入期間は1カ月から。CSEの溝口本部長は「人件費予算ソリューションと同様のシステムを個別に開発した場合と比べて、導入期間は半分程度になる」と説明する。