富士通は2012年12月5日、COBOL開発・運用ソフトウエアの新版「NetCOBOL V10.5」を発売した。COBOLで開発したバッチアプリケーションをApache Hadoopで並列分散処理する機能を搭載する。オンプレミス用途のパッケージのほか、同社のクラウドサービス「Fujitsu Global Cloud Platform FGCP/S5」のオプションサービスとしても提供する。

 NetCOBOLは、Windows、Solaris、Linux上で動作するCOBOLアプリケーションの総合開発環境と運用環境を提供する。新版では、Apache Hadoopのフレームワークである「MapReduce」とCOBOLのデータ形式の違いを吸収するために、同社独自のデータ変換機能を実装。COBOLのデータをMapReduceの入出力データとして扱う機構により、COBOLバッチアプリケーションを再コンパイルするだけで、Hadoopを適用した並列分散バッチ処理ができるようになった。

 同社によると、同機能は、複数ファイルを入力・ソート・統合して、複数ファイルを出力するバッチアプリケーションで特に適用効果を発揮するとする。このようなバッチアプリケーションと同社のApache Hadoopベースの並列分散処理ソフト「Interstage Big Data Parallel Processing Server」を組み合わせて、128Gバイトのデータを16多重で集計した場合、バッチ処理時間を従来の約18分の1に短縮できるという。また、Apache Hadoopとの組み合わせでも、バッチ処理時間は約3分の1になる。

 同ソフトは、オンプレミスでの利用に加えて、クラウドサービス「FGCP/S5」「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」「Amazon Elastic MapReduce(Amazon EMR)」でも動作を確認済みで、各クラウド基盤にインストールして利用することが可能だ。また、FGCP/S5では、月額制のオプションサービスとしても提供する。価格は、パッケージ製品のLinux版「NetCOBOL Enterprise Edition 開発・運用パッケージV10.5」が168万円から。FGCP/S5のオプションサービスとしての利用は月額8万4000円から(価格は税別)。パッケージは2012年12月に出荷、クラウドサービスは2013年2月の提供開始を予定する。