米IDCが現地時間2012年12月4日公表した市場推計によると、2012年の携帯電話世界出荷台数は前年比1.4%増の約17億台にとどまり、過去3年間で最も低い成長率になる見通し。一方でスマートフォンの出荷台数は前年比45.1%増の7億1750万台と、高成長が続くと予測している。

 世界経済の低迷が携帯電話市場全体に影響を及ぼしたが、第4四半期(10~12月期)は米Appleの「iPhone 5」(関連記事)や韓国Samsung Electronicsの「Galaxy S III」(関連記事)といった端末がよく売れている。また中国などの新興国市場では低価格のAndroid端末が売れ、スマートフォンは好調という。

 IDCが予測する2012年のスマートフォンOS別シェアは、米Googleの「Android」が68.3%でトップ。これに米Appleの「iOS」が18.8%で続き、このあと、カナダResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry OS」(シェア4.7%)、米Microsoftの「Windows Phone」(同2.6%)、「Linux」(同2.0%)の順となる見通し。

 4年後の2016年は、このうちWindows Phoneのシェアが11.4%に増加し、BlackBerry OSを抜いて3位になるとIDCは予測している。Windows PhoneはフィンランドNokiaや台湾HTCのほか、Samsung、中国ZTE、中国Huaweiなど採用メーカーが増え、シェア拡大に寄与するという。IDCはWindows Phoneの年平均成長率(CAGR)が71.3%となり、ほかのどのOSよりも高いと予測している。

 4年後の首位は依然としてAndroid、2位はiOS。両OSの年平均成長率はそれぞれ16.3%、18.8%で、いずれも2桁成長になる見通し。AndroidはSamsungのほか、韓国LG Electronics、ソニーモバイルコミュニケーションズの端末が成長を支える。iOSはAppleが世界の通信事業者との提携を拡大しており、販路が広がっている。ただしAppleは新興国市場の需要に応えるため、低価格端末の市場投入を検討する必要に迫られる可能性があるとIDCは指摘している。

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