シャープは2012年12月4日、米クアルコムと次世代ディスプレーの共同開発と資本提携について合意したと発表した。クアルコムを割当先とした第三者割当増資を実施し、最大で1億2000万ドル(約99億円)の出資を受け入れる予定だ。

 合意内容によると、シャープは、クアルコム子会社のピクストロニクスと、MEMS(微小電子機械システム)ディスプレーを共同開発する。MEMSディスプレーは微細加工技術を利用したディスプレーで、色再現性と省電力性に優れ、既存の生産インフラを効率的に活用できる特長がある。シャープが持つディスプレー技術「IGZO(イグゾー、関連記事)」と、ピクストロニクスのMEMSディスプレー技術を統合し、次世代ディスプレーの実用化を目指す。

 さらに、クアルコムが持つモバイル機器用のチップセットと、シャープのIGZO技術を組み合わせる取り組みの可能性についても検討するとしている。

 クアルコムは携帯電話・スマートフォン用半導体の大手で、米アップル(関連記事)や韓国サムスン電子、ソニーモバイルコミュニケーションズなどの主要メーカーに中核部品を供給している。

[シャープの発表資料]
[米クアルコムの発表資料]