カスペルスキーは2012年12月4日、Linuxメールサーバー環境で動作するゲートウエイ型マルウエア対策ソフトの新版「Kaspersky Security 8.0 for Linux Mail Server」を発表した。2013年1月31日に販売/出荷開始する。新版では、クラウドを用いた迷惑メール対策や、振る舞い検知型のゼロデイ攻撃対策などを追加した。

 Linux/FreeBSDベースのメールサーバーにマルウエア対策機能を追加するソフトである。インターネット側に設置したメール受信サーバーに組み込んで使う。提供する機能に応じて、マルウエア対策ソフトの「Kaspersky Anti-Virus for Linux Mail Server」と、迷惑メール対策ソフトの「Kaspersky Anti-Spam for Linux Mail Server」の二つのライセンスを用意した。

 新版では、迷惑メール対策とゼロデイ攻撃対策を強化した。

 迷惑メール対策では、ローカルでの診断に加えて、クラウドサービス「Kaspersky Security Network」(KSN)の集合知を利用するようにした。判断材料として、送信元IPアドレスに加え、メール本文をいくつかのブロックに分断した要素のハッシュ値を共有する。これにより、メールの一部分が迷惑メールに一致しているかどうかを調べられる。

 ゼロデイ攻撃対策では、未知のマルウエアを実行した際の振る舞いをリアルタイムに分析/検知するエミュレーションエンジン「ZETA Shield」を追加した。具体的にどのようなファイル形式のデータを、どのようなエミュレーター環境で動作させるのかは不明だが、メールの添付ファイルに含まれるデータをリアルタイムに分析できるとしている。

 新版ではまた、Web管理コンソールを追加した。従来版はコマンドラインでの設定しかできなかった。

 利用可能なメールサーバーソフトは、Sendmail 8.14以降、qmail 1.03以降、Postfix 2.5以降、Exim 4.71以降、CommuniGate Pro 5.4以降。また、AMaViSを介して各種ソフトと連携できる。稼働OSは、各種Linux(Red Hat Enterprise Linux 6.2/CentOS 6.2やSUSE Linux Enterprise Server 11、Ubuntu 10.04LTS/12.04LTSなど)およびFreeBSD 8.3/9.0。

 参考価格(税別)は以下の通り。マルウエア対策のKaspersky Anti-Virus for Linux Mail Serverは、1ユーザー当たり年額2790円。迷惑メール対策のKaspersky Anti-Spam for Linux Mail Serverは、1ユーザー当たり年額1860円。いずれも最小構成は10ユーザー。