図●NTTBPのWi-Fiインフラは足回りとして高速な光回線(フレッツ光)を利用している
図●NTTBPのWi-Fiインフラは足回りとして高速な光回線(フレッツ光)を利用している
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 エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)は2012年11月30日、セブン&アイ・ホールディングスが12月1日から傘下のセブン-イレブン店舗など全国1万店以上に規模拡大を予定している無料公衆無線LAN(Wi-Fi)サービス「セブンスポット」向けに、同社のWi-FiクラウドサービスおよびWi-Fiインフラを提供することを発表した(関連記事:無料Wi-Fiサービス「セブンスポット」、12月1日から全国1万店舗以上で利用可能に)。

 同社は既に、2011年11月から東京23区を中心に稼働中のセブンスポット向けのインフラ構築などを手がけているが、同サービスの全国展開に歩調を合わせて提供規模を拡大する。

 NTTBPのWi-Fiクラウドサービスでは、「来店者向け機能」と「管理者向け機能」をそれぞれ提供する。前者では、来店者向け無料インターネット接続サービスのための「インターネット認証機能」およびクーポン配布などを実施する「お楽しみコンテンツの提供機能」の二つ。インターネット接続に関しては、青少年利用向けの有害サイトフィルタリング機能も用意している。

 後者の管理者向け機能は、全国の店舗のコンテンツを簡単に設定できるCMS(コンテンツ管理システム)機能を提供。同CMSでは、「店舗ごと」や「業態の違い」などに合わせてコンテンツの出し分けをしたり、店舗管理をしたりできるという。

光回線が足回りのためボトルネックになりにくい

 NTTBPのWi-Fiインフラは、無線LANアクセスポイント(AP)から先の足回り回線(エントランス回線)としてNTT東西地域会社の光回線(フレッツ光)を利用していることが特徴(、一部異なる回線サービスを使っている場合もある)。速度は下り(インターネットから端末の向き)が「200Mビット/秒」、上りが「100Mビット/秒」で、「Wi-Fiの高速・低遅延というメリットを最大限に引き出せる」(NTTBP)という。

 競合他社の公衆無線LANサービスでは、足回り回線として、AP設置に関する物理的な制約が少ない3G/WiMAX回線などを使っているケースがある。例えば3G回線の場合、「下り約14Mビット/秒、上り約5.7Mビット/秒」といった速度になり、一般に150M~300Mビット/秒クラスの速度を出せるIEEE802.11n規格の無線LANと比べて大幅に速度が低くボトルネックとなる可能性が高い(実際にNTTBPのインフラでは11n対応のAPが存在している)。

 また、NTTBPの方式では、一つのアクセスポイントを複数の公衆無線LAN事業者のサービスで共有できる仕組みを採用しており、セブンスポットの展開に合わせて、同APでNTT東日本の「フレッツ・スポット」およびNTTドコモの「docomo Wi-Fi」が利用できるようになっている。さらに、同一チャネルで複数のSSIDを使い分けられる仕組みのため、事業者ごとにAPを設置することに伴う「電波干渉による速度低下」を避けやすいなどのメリットが得られる。