ソフトバンクモバイルは2012年11月29日、「ソフトバンク Wi-Fiスポット」の利便性向上の取り組みについて発表した。無線LANエリアでのログイン時間の短縮化や、5GHz帯を使う無線LANアクセスポイントの拡充などを順次進めるとしている。

 今回発表した内容は、インフラ側の対応と端末側の対応の大きく二つがある。まずインフラ側では、2.4GHz帯に加え5GHz帯の無線LAN通信(IEEE802.11a/n)に対応したアクセスポイントを拡充する。

 ソフトバンクモバイルはソフトバンクWi-Fiスポットを全国35万カ所に設置しているが、このうち11月末までに約14万カ所のアクセスポイントを2.4GHz/5GHz対応とする。さらに2013年3月末までに約40万カ所に拡大する。「既存のアクセスポイントすべてを切り替えるわけではないが、ほぼ全面的に新しいアクセスポイントを設置して5GHz対応エリアを広げる」(ソフトバンク)としている。

 ログイン時間の短縮では、SIMカードの契約者情報を使った認証方式「EAP-SIM」を導入する。従来のウェブ認証で7~10秒ほどかかっていた認証時間が2~3秒に短縮するという。対応するアクセスポイントは5GHz帯対応と同じく11月末時点で約14万カ所ある。これも2013年3月末までに約40万カ所に拡大する。

 EAP-SIMに対応するのはiOS5以上のiPhone、iPad、AndroidスマートフォンではPANTONE 6 200SH、AQUOS PHONE Xx 203SHが対応する。対応機種は順次拡大予定である。EAP-SIMの導入により、セキュリティーレベルもWPA2エンタープライズに向上する。

 端末側では、加速度センサーなどで状態を検知して、車などでの移動中に不要なアクセスポイントに接続しないように制御する「移動中 Wi-Fi接続制御」や、無線LAN接続のパラメータをサーバー側から配布してアクセスポイントへの接続動作を継続的に改善する機能を導入した。対応する端末はPANTONE 6 200SH、AQUOS PHONE Xx 203SHの2機種で、順次拡大する予定である。

 また、無線LANアクセスポイントと端末側の双方に、電波の環境や受信感度を監視して、スループットの出ない電波の弱いエリアで無線LANを使用しない制御機能を導入する。端末側の受信感度監視機能はAndroid4.0以上のスマートフォンが対応する。

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