総務省北陸総合通信局は2012年11月29日、9月13日~11月2日に富山県や石川県、福井県の全市町村を対象に実施した「地方公共団体が実施する情報通信技術(ICT)を活用した防災・減災対策の現状・要望等に関する調査」(アンケート調査と訪問調査)の結果を公表した。

 この調査は、北陸の地方公共団体が情報通信技術(ICT)を活用して実施する防災・減災のための各種取組に対して、総合的な支援と連携強化を目的に実施したという。「地域防災計画の見直し」「防災行政無線の整備状況」「災害時における多様な情報収集・伝達手段の確保」「非常用電源設備の浸水対策、長時間化、避難所への配備など」「地方公共団体、国の出先機関、民間企業などとの災害時における支援・協力・応援」「避難所などにおける平時からのインターネットアクセス環境の整備」「公共情報コモンズ」「総務省が実施している通信機器などの貸出」などについて聞いた。

 調査の結果、例えば同報系防災行政無線のデジタル方式での整備状況(問2-2)の関連では、2012年度または2013年度にデジタル化を予定している市町村の約4割がMCA無線導入によるデジタル化を計画していることがわかった。その最大の理由として、通常の防災行政無線と比べて安価、かつ短期間に導入できることが挙げられているという。

 エリアメール(緊急速報メール)の導入・活用が、防災行政無線を補完する手段の一つとして急速に進んでいる様子が伺える(問3-5)。北陸地域では、導入済みの市町村が52.9%、2013年度までに導入予定の市町村が39.2%と、合わせると92.1%に達する。

 なお、今回は訪問調査なども行い、要望事項(問9)の把握にかなりの力を入れたという。例えば、衛星携帯電話について「災害時のみならず平時でも予め集落に配備しておくため総務省や通信事業者から貸し出してほしい」「購入費用、レンタル費用、通信費用をできるだけ低廉なものにしてほしい」、エリアメール(緊急速報メール)の関連では「情報の入力は、各携帯電話事業者毎にしなければならないが、一括して同時に入力、送信できる仕組みがあると良い」、防災行政無線関連では「デジタル化に関する財政的支援に関して、補正予算による一時的な支援ではなく、恒久的な制度により継続的に実施してほしい」など様々な意見・要望が紹介されている。

 北陸総合通信は、今回の調査での意見・要望に対応するための今後の取り組み(関係企業・団体への働き掛けなどを含めて)について早急に検討する考えという。

[発表資料へ]