フィンランドNokiaがカナダResearch In Motion(RIM)との特許ライセンス契約をめぐる争いで法的措置に乗り出したと、複数の米メディア(Wall Street JournalInfoWorldCNET News.comなど)が現地時間2012年11月28日に報じた。無線LAN(Wi-Fi)技術に関するロイヤルティーの支払いに関して、スウェーデンのストックホルムで行われていた調停で、Nokiaに有利な判断が下されたことを受けての行動という。

 NokiaとRIMは2003年に特許のクロスライセンス契約を結んでいるが、Nokiaは同契約が標準必須特許を対象にしておりWi-Fi技術は含まれていないとしてWi-Fi関連の特許使用料の支払いをRIMに要求していた。一方RIMの主張は、同契約が問題のWi-Fi技術をカバーしているため新たにロイヤルティーを支払う必要は無いというものだった。

 両社の調停において、ストックホルム商業会議所仲裁裁判所はRIMを契約違反と判断。「Nokiaに特許使用料を支払うことなくして、Wi-Fi標準に対応した製品を製造および販売する権利はRIMにはない」との見解を示した。また、RIM製品に組み込まれているNokia技術の使用料と損害賠償を支払う責任があると付け加えた。

 仲裁裁判所の裁定は11月6日に下されたが、これまで公表されていなかった。Nokiaはこのたび、同裁定の執行を目的とした法的手続きを、米国、英国、カナダで行ったという。Nokiaは賠償金支払いやRIM製デバイスの販売差し止めなどを要求していくと見られる。

 英Reutersは、「RIMが販売差し止め命令を回避するにはNokiaへのロイヤルティー支払いに応じるしか道はない」とする米特許コンサルティング会社General Patentの意見を伝えている。