電波監理審議会は2012年11月28日、ひのきから申請された大臣裁定拒否処分に対する異議申立てについて、ひのきの主張を認め拒否処分を取り消す決議を行った。

 徳島県のケーブルテレビ局であるひのきは、読売テレビ放送に対してデジタル放送の再放送(いわゆる「再送信」)の同意を求めていた。読売テレビ放送の間の協議が調わないとして、2011年6月21日付けで、ひのきは総務大臣に再放送同意に係る裁定の申請を行った。

 これに対して、総務大臣は、その後の協議において当時者が歩み寄る余地がないとは認められないとの判断に基づき、この申請に対して拒否処分を行った。放送法で「基幹放送事業者が協議に応じず、または協議が調わないとき」と裁定申請の要件が定められており、この要件が満たされていないという理由からだ。

 これに対して、ひのきは、「この拒否処分に係る判断は事実経過を誤認し、放送法の解釈適用を誤っており違法不当」として、2011年11月7日付けで総務大臣に異議申立てを行い、同年12月9日付けで電波監理審議会に付議された。

 今回、異議申立て手続きにおいて提出された主張および証拠に基づく審議の結果、「協議が調わないとき」に該当する状況にあると認めることができ、要件を満たしているとした。この結果、総務大臣が行った裁定の拒否処分は取り消すという議決を2012年11月28日に行った。

 これは大臣裁定を行うのに必要な要件を満たしているという判断であり、この取り消し処分の結果、今後は大臣裁定の手続きに入ることになる。