写真●MoonWalker Version2.4の画面
写真●MoonWalker Version2.4の画面
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 クラウド・スコープ・テクノロジーズは2012年11月28日、仮想サーバー環境の構成情報を可視化する運用監視ソフトの新版「MoonWalker Version2.4」(写真)を発表した。12月3日に販売/出荷する。新版では、エージェントレスだけでなくエージェントを用いた情報収集も可能にした。価格(税別)は、500万円から。

 仮想サーバー環境に向いた運用監視ソフトである。サーバーやアプリケーションの稼働状況や死活の監視に加え、仮想環境の構成情報を収集して可視化できる。仮想サーバーが稼働する物理サーバーの情報や、仮想サーバーのネットワーク構成などが分かる。仮想サーバーが物理サーバー間を移動するライブマイグレーション時にも、これを検知して構成情報を更新する。監視できる仮想環境は、VMware ESX/KVM/Hyper-V。

 監視画面は、大きく三つに分かれる。(1)トポロジーマップは、仮想サーバー、物理サーバー、ストレージ、ネットワークなどの構成を可視化する。(2)アラート監視画面では、サーバーやサービスの停止といった、リアルタイムなシステム監視情報を表示する。(3)過去のインシデント情報の履歴を表示する画面も備える。

エージェントレス/Zabbixエージェントの両面で監視可能

 稼働状況や構成情報は、基本的には、エージェントを使うことなく、OSの標準機能などを使って収集する。具体的には、SNMP(Simple Network Management Protocol)やWMI(Windows Management Instrumentation)、監視対象サーバーへのTelnet/sshログインや遠隔コマンド実行、サーバー仮想化ソフトが用意している情報収集用APIなどを利用する。

 新版では、これまでのエージェントレスでの監視に加えて、エージェントを使った監視も可能にした。具体的には、OSS(オープンソース)のネットワーク管理ソフト「Zabbix」のエージェントと連携し、サーバー機の監視データを収集できるようにした。なお、Zabbixエージェントで取得できる情報そのものは、エージェントレス(SNMP/WMI)で取得できる情報と変わらない。

 エージェントを使って情報を収集できるメリットは、大きく二つある。まず、セキュリティポリシーの都合でWMI用のポートを開けられない(WMIを利用できない)ケースでも、Windowsのイベントログ情報を収集できるようになる。さらに、監視負荷をエージェントにオフロードできるため、監視サーバー(MoonWalkerのサーバー)の負荷を低減できる。

 新版ではまた、IPv6デバイスを持つサーバー機などについて、死活監視(Ping)やSNMP監視(Trapの受信)ができるようになった。