写真1●HP Integrity Superdome 2の外観
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写真2●日本ヒューレット・パッカードでビジネスクリティカルシステム事業本部長を務める手島主税氏
写真2●日本ヒューレット・パッカードでビジネスクリティカルシステム事業本部長を務める手島主税氏
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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2012年11月28日、CPUにItanium、OSにHP-UXを搭載したUNIXサーバー機「HP Integrityサーバー」(写真1)のラインアップを一新し、新たに最新CPU「Itanium 9500」を搭載した新機種を発表した。いずれの機種も、CPUコア数の倍増などにより、性能が最大3倍に高まったとしている。開発会社は、米Hewlett-Packard。

 新機種はそれぞれ、ラック型でCPU/メモリーブレードで拡張できる最上位機「HP Integrity Superdome 2」、個々のブレードサーバーを束ねてスケールアップ構成(SMP構成)で利用することも可能なブレードサーバー機「HP Integrity BL890c i4/BL870c i4/BL860c i4」、2Uラックマウントサーバー機「HP Integrity rx2800 i4」である。

 全機種を通じて、大きく二つの強化を図った。一つは、CPUをItanium 9300からItanium 9500に置き換えて、ベースとなる性能を高めたこと。コア数の倍増(最大8コア)や動作周波数の向上などにより、サーバー機としての処理性能が最大で3倍になったとしている。もう一つの強化は、OSイメージの可搬性を保ったままでハードウエアリソースを占有できるようにする新技術「HP vPars v6」など、仮想化技術の強化である。

 HP vPars v6は、既存の二つの仮想化技術の利点を組み合わせた技術であるという。具体的には、基盤/ファームウエアレベルの論理パーティショニング機能「vPars」と同様に、CPUやI/Oを占有して割り当てることができる。一方、サーバー仮想化ソフトウエア「Integrity VM」と同様に、異なるハードウエア基盤を持つHP-UXサーバー同士の間で、OSイメージを移動させることができる。

CoDライセンスは新旧CPU混在に

 Itanium 9300搭載機とItanium 9500搭載機が混在した環境を考慮したライセンス形態も用意した。具体的には、HP Integrity Superdome 2が備えるCoD(キャパシティオンデマンド)型のCPUライセンス「iCAP」(インスタント・キャパシティ)を、新旧CPUが混在した環境に適用する新ライセンス「GiCAP」(グローバルiCAP)を用意した。

 前提となるiCAPとは、使用権の無いCPUをCPU価格の25%であらかじめ購入しておき、CPU能力が必要になったときに使用権をCPU価格の75%で購入するというライセンスモデルである。今回のGiCAPでは、旧式CPUの使用権を、新CPUの使用権として流用できるようにした。

 新機種それぞれ(最小構成、OS含まず)の参考価格(税込み)と出荷時期は、以下の通り。最上位機のSuperdome 2は、2925万3000円で、2013年1月中旬に出荷する。ブレードサーバー機の価格は、BL890c i4が1586万3400円、BL870c i4が727万200円、BL860c i4が186万5850円。ラックマウント型サーバー機の価格は、rx2800 i4が173万1450円。ブレードサーバー3機種とラックマウントサーバー1機種は、いずれも2012年12月中旬に出荷する。

 なお、日本HPでは、異機種間でOSイメージを移動する仮想化技術や、新旧CPUが混在した使用権ライセンスといったUNIXサーバー機の強化を、「持続的成長システム」と呼んでアピールしている。「これまでの企業は、新技術の登場に合わせて、タイミングを見計らって旧型システムを廃棄して新システムに置き換えてきた。今後は、投資済みの資産を最大限に活用しながら、新技術をタイムリーに適用するようになる」(ビジネスクリティカルシステム事業本部長の手島主税氏、写真2)。