テラスカイは2012年11月27日、米Salesforce.comのSaaSのユーザーインタフェースをドラッグ&ドロップで作成できる「SkyVisualEditor」を核に、アプリベンダーのエコシステムを広げていくと発表した(写真1)。
具体的には12月22日に提供を予定しているバージョン3(SkyVisualEditorV3.0)に、「AppComponent」と呼ぶソフト部品を追加できる機能を実装して、サードパーティー製アプリとの連携を図る。アプリ開発者はテラスカイが提供するSDK(同社ではCDKと呼ぶ)を利用することで、Salesforceのアプリマーケット「AppExchange」などに公開している既存のアプリを、SkyVisualEditorで編集しているSalesforceの画面に組み込んで利用できるようになる(写真2)。同日の発表時点では、6社がAppComponentへの対応を表明している(表1)。12月22日以降、順次提供を開始する予定である。AppComponentの対象となるアプリは、AppExchangeで提供されているものに限らない。
社名 | 提供アプリケーション | 提供開始時期 |
---|---|---|
インタームーブ | AppMoveワークフロー | 2012年12月22日予定 |
オークニー | Orkney GeoGraph(仮) | 来春をメドに検討 |
ジラッファ | SuperGanttChartComponent | 2012年12月22日予定 |
フロンティアワン | F1-Sheet(エフワンシート) | 2013年2月予定 |
バリオセキュア・ネットワークス | Motionboard for salesforce | 2012年12月22日予定 |
アクセラテクノロジ | BizSearch | 未定 |
SDKはテラスカイが無償で公開し、誰でもソフト部品を提供できるようにする。テラスカイの佐藤秀哉代表取締役社長(写真3)は、「アプリ開発者への課金は当面するつもりはない」と説明する。“当面”と表現したのは、対応するコンポーネントが増えすぎて、テラスカイ側で取捨選択しなければならないような状況になれば課金を考えるかもしれない、といった程度の意味だという。
発表会に登壇したSCSKのソリューション・機能事業部門長、産業システム事業部門副部門長の鈴木正彦取締役専務執行役員(写真4)は、テラスカイとはSI事業で競合すると述べつつも、一方で同社はSkyVisualEditorを再販する立場にもあると説明する。
「企業システムもクラウドの利用が主流になり、ウォーターフォール型の開発では顧客の要望に応えられなくなっている。早く良いものを顧客に提供できるのであれば、我々としても(SkyVisualEditorやAppComponentを)使っていきたい」と述べた。