写真●MAILBASE Σのオンライン検索画面
写真●MAILBASE Σのオンライン検索画面
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 サイバーソリューションズは2012年11月27日、企業がやり取りする電子メールをクラウド上にアーカイブ保存するサービス「MAILBASE Σ」を発表した。12月3日にサービスを開始する。クラウドサービスであるため、社内にアーカイブ用の検索サーバー機やストレージ機器を設置する必要がない。

 同社のデータセンターにメールデータを保存する。社内のメール送受信の仕組み(メールの中継経路)には手を加える必要がなく、メールサーバー上で送受信メールのコピーをMAILBASE Σに転送して保存する仕組み。

 クラウド側では、Webアプリケーション型のメール検索/閲覧機能を提供する。メール監査の担当者やエンドユーザーがWebブラウザーでアクセスして利用する。条件を指定した検索ができる。メールの保管期間は1年から最長5年間で、保管容量に制限はない。

 サービスの提供価格(税別)は容量によらず一定で、1アカウント(メールアドレス)当たり初年度(12カ月間)が月額500円。2年目以降は月額料金が1年ごとに250円ずつ上がる。具体的には、2年目は月額750円、3年目は月額1000円、4年目は月額1250円、最長となる5年目は月額1500円となる。

保管期限切れデータを毎月返却するサービスも提供

 MAILBASE Σ上でのデータ管理期間を1年間などと短く設定しながら、その一方で保存期間が過ぎたデータについては毎月1回、その都度データを返却するサービス「データ返却サービス」も用意している。料金はアカウント数によらず一定で、月額4万円。費用の内訳は、保管期間が切れたデータを毎月1回返却する手間賃と、返却データに対する専用の検索/閲覧ソフト(Windows XP以降で動作)の利用料である。

 なお、MAILBASE Σは、同社が以前から提供しているミドルウエア「MailBase」のサーバー機能(ストレージを含む)に準じる機能を、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型で提供するクラウドサービスである。社内のメールサーバーへの要求仕様などは、既存のMailBaseと共通である。メールサーバーから見れば、転送先がクラウドサービスなのかオンプレミスの管理サーバーなのかが異なるだけである。

 MAILBASE Σを利用する場合も、MailBaseを利用する場合も、社内のメールサーバー側では、メールのコピーをMAILBASE Σ側に転送する仕組みが必要になる。メールサーバーの種類に応じて、やり方が異なる。例えば、グループウエアのLotus NotesやExchange Serverでは、これらが自前で備えているジャーナル機能を利用する。OSS向けには、専用のエージェントを用意している(SendmailはMILTER型で動作、Postfixは独自形式)。