写真1●テストの時に実施したい手順をあらかじめ実行して記録する
写真1●テストの時に実施したい手順をあらかじめ実行して記録する
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写真2●テスト作業はバックグラウンドで実行し、画面にはテスト状況が随時表示される
写真2●テスト作業はバックグラウンドで実行し、画面にはテスト状況が随時表示される
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 アズビル セキュリティフライデーは2012年11月21日、Webサイトの負荷テストを簡易的に実行するツール「WebTaster-Z」を発売した。2カ月間の利用で3万円という低価格から気軽に利用できるのが特徴である。

 WebTaster-Zは、1台のWindows PC上に最大300人までのユーザーについてWebブラウザのアクセス環境を仮想的に作ってテストする。コンピュータ上のシミュレーションではなく、実際にユーザー数分のユーザーアカウントを作成し、ブラウザを使って実際にサーバーにアクセスしてテストする。「PC内に本当に300ユーザー作ってブラウザを操作しているようなもの。PCの処理能力が向上したので可能になったソリューション」(代表取締役社長の佐内大司氏)という。

 実際の手順としてはまず、テストしたいサイトについて実際に操作して、その操作内容を記録する(写真1)。それから、テストしたいユーザー数を設定してから実行すると、その数だけのユーザー環境をバックグラウンドで作成し、その中のブラウザからあらかじめ記録しておいた手順を再生する。画面上には、テストの進行状況をバーで表示し、手順がきちんと再生したら水色、エラーが発生したら赤色で表示する(写真2)。テスト終了後は、結果を集計した簡易的なレポートを作成できる。それぞれのバーをクリックすると最終的な画面を確認することも可能だ。

 WebTaster-Zで可能な処理は、基本的にこれだけである。一般の負荷テストツールのような複雑な条件設定や細かい分析はできないが、だれでも簡単に使えて、導入しやすい価格にした。「ユーザーの話を聞くと、びっくりするくらい同時アクセスのテストをしていない。そんな人のために、単純に300人を集めてテストする環境を作りたかった」(佐内氏)。

 WebTaster-Zは64ビットのWindows 7搭載PCで動作する。300ユーザーでのテストを実行するためには、Core i7(4コア)CPU、16Gバイトメモリー、250Gバイト以上のハードディスク容量のスペックをもったPCでの利用を推奨している。

 WebTaster-Zの料金は、利用期間に合わせたライセンス価格になっている。2カ月の短期ライセンスは3万円、1年間のライセンスは15万円である。ライセンスが切れた後も、必要になったときに購入しチャージしてまた利用できる「ソフト電池」方式を採用している。5ユーザーまでのテスト環境は無償で利用できるので、「これで動作を確認してから購入してもらいたい」(佐内氏)という。