写真●LanScope Anの画面(新機能のリモート管理画面)
写真●LanScope Anの画面(新機能のリモート管理画面)
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 エムオーテックス(MOTEX)は2012年11月28日、Androidスマートフォンを持たせた社員の行動を、GPSの位置情報やアプリケーションの稼働ログを利用して一元的に把握できるようにしたソフト「LanScope An」の新版(写真)を発表した。11月29日に出荷する。新版では、MDM(モバイルデバイス管理)機能を強化し、メインメニューに「リモート管理」(ロック/消去など)のタブを追加した。

 Androidスマートフォン向けのクライアント管理ソフトである。専用のエージェントソフトをインストールしたAndroid端末(Android 2.3.3以上)を、同社がSaaS型でクラウド上で提供する管理サーバーから集中管理する。クライアント管理の基本機能である資産管理や情報漏えい対策のほかに、位置情報やアプリケーションの操作ログを記録/収集/分析する機能を提供する。管理サーバーにはWebブラウザーを介してアクセスする。

 端末の操作ログを記録/分析する機能は、スマートフォン向けの管理ソフトとしては珍しい。エージェントは、利用したアプリケーションの種類や利用時間などをログに蓄積し、5分に1回のインターバルでクラウドに転送する。電波が届かない場所にいる場合は、IP通信が復活してから溜まっているログを転送する。GPSの位置情報も、3分または10分間隔で、管理サーバーに報告する。

 社員ごとに、アプリケーションの利用履歴が分かる。電話、メール、Webアクセス、ゲームアプリといったアプリケーションごとの時間配分や利用時間帯を、棒グラフで表示できる。これにより、例えば、電話の利用状況など、成績優秀な社員と成績が思わしくない社員の時間配分を比較して分析できる。各種の視点に立った分析軸で分析できる。

 GPSの位置情報は、リアルタイムに現在地点を地図上で表示できるほか、一定時間内における移動経路の履歴を地図上に表示できる。これにより、例えば、現場の近くにいるフィールドサービス担当者を地図上で探して、作業を指示できる。また、一日の移動ルートが分かるので、予定通りの行動をとっているかどうかをチェックできる。

 今回の新版では、Web管理画面に「リモート管理」というタブメニューを追加した。これにより、MDMの基本機能の一つである、リモートロック/消去が可能になった。端末の紛失時などに、管理データを利用してインベントリー情報(所有者の情報や、インストールされているアプリケーションの情報)を表示するほか、現在のリアリタイムな位置情報を地図上で表示する。ここからボタン一つで、リモートロックやデータ消去を指示できる。

 LanScope Anの価格(税別)は、以下の通り。Androidスマートフォン1台当たり、初回登録料が6800円、使用料金が年額1200円。GPSの位置情報を地図(Microsoftの「Bing Map」)上に表示する機能はオプションで、1契約(同時に地図上に表示するAndroidスマートフォン群、部署単位など)当たり年額8400円。