写真1●紛争対象になっている特許4472550号の内容の一部(特許庁「特許電子図書館」で公開されている文書より)
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写真2●紛争対象の特許にかかわる製品の一例(バッファロー製USB型無線LANアダプター「WLI-UC-GNM2T」)
写真2●紛争対象の特許にかかわる製品の一例(バッファロー製USB型無線LANアダプター「WLI-UC-GNM2T」)
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 パソコン周辺機器大手のバッファローは2012年11月19日、大阪地方裁判所で争われている特許訴訟の判決について発表した。バッファローによると、同社とバッファローコクヨサプライ(その後バッファローに統合)は2011年6月27日に、同業のエレコムから、販売差し止めと約1億円の損害賠償を求める訴訟を起こされた。この訴訟で、大阪地裁は2012年11月15日、被告であるバッファロー勝訴の判決を言い渡した。

 判決の内容は、(1)原告(エレコム)の請求をいずれも棄却する(2)訴訟費用は原告の負担とする、というものである。

 この訴訟では、バッファローが販売するコンパクトな形状のUSB製品が、エレコムが専用実施権を保有するUSB小型化技術に関する特許第4472550号(発明の名称は「ユニバーサルシリアルバス応用装置」、写真1)にかかわる権利を侵害するとして争われた。エレコムはバッファローに対し、販売差し止めと損害賠償を求めていた。

 エレコムは2011年2月1日に台湾イノディスク社からこの特許に関する日本国内での専用実施権を取得。超小型のUSB無線LANアダプターやUSBメモリーなどの製品に適用してきた。そして、同年6月にバッファローに対する訴訟を起こした。

 被告であるバッファローも、エレコムと同様の超小型USB無線LANアダプターなどを製品化している(写真2)。バッファローは裁判所で「多数の先行技術が存在しており、本件特許権自体が無効である」と主張。大阪地裁はこれを認め、エレコムの請求を棄却した。

 被告のバッファローは「当社の主張を認める判決が下された。エレコムより控訴が提起された場合には、引き続き当社の主張が認められるよう対応していく」とコメントした。

 原告のエレコムは「(敗訴の)判決が出たのは事実。控訴を含めた今後の対応については、社内で検討中である」とコメントした。

[バッファローの発表資料(訴訟の判決に関するお知らせ)]
[エレコムの発表資料(提訴前の専用実施件取得時)]