米Intelは現地時間2012年11月19日、社長兼最高経営責任者(CEO)のPaul Otellini氏が来春退任すると発表した。2013年5月に開催される株主総会で正式に役職を退く。同社は今後6カ月にわたってスムーズな引き継ぎを図り、後任は社内外の候補者から検討するとしている。

 Otellini氏は1974年にIntelに入社し、パソコンおよびサーバー向けマイクロプロセッサ部門、世界販売およびマーケティング部門などさまざまな事業を指揮したのち、2002年に取締役会に加入し、社長およびCOOに任命された。2005年5月にCEOに就任し、同氏のもとでIntelは2005年末から2011年末のあいだ、年間売上高が388億ドルから540億ドルに成長し、1株当たり利益は1.40ドルから2.39ドルに拡大した。

 しかし、モバイル移行の対応が遅れた同社は、パソコンの需要が落ち込むとともに厳しい状況に直面している。最近モバイル端末向けチップを提供しているものの、スマートフォンやタブレット端末分野ではARMアーキテクチャベースが大勢を占めている。Intelが10月16日に発表した2012年第3四半期決算は、売上高が前年同期比5.5%縮小し、純利益は同14.3%減少した(関連記事:IntelのQ3決算、3年ぶりの減収、パソコン向け事業は8%減収)。

 Otellini氏は退任を決断したことについて、「私は世界で最も優れた企業の1つを率いる栄誉に預かった。Intelとともに約40年過ごし、CEOを約8年務め、今こそIntelの舵取りを新しい世代のリーダーシップに委ねるべきときだ」と述べている。

 同社はまた、3人の幹部の昇進を明らかにした。ソフトウエア部門責任者のRenee James氏、最高執行責任者(COO)で世界製造部門責任者のBrian Krzanich氏、最高財務責任者(CFO)で企業戦略担当ディレクターのStacy Smith氏が執行副社長に就任する。

 米メディアの報道(New York Times)によると、Otellini氏は11月14日に退任の意思を取締役会に告げたという。Otellini氏は現在62歳だが、同社規定の定年(65歳)までCEOを続けると見られていた。

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