沖電気工業(OKI)は2012年11月19日、北海道テレビ放送(HTB)と共同で、独立行政法人の情報通信研究機構(NICT)が運用するJGN-X上のクラウド環境に、ITU-TのIPTV標準準拠のOKIの映像配信システム「OKI MediaServer」を設置し、映像配信実験「ITU IPTV Global IPv6 testbed」を2012年10月1日に開始したと発表した。JGN-Xは、2011年4月から構築、運用を開始した新世代通信網テストベッドである。

 実験には、HTBの開発したLIME標準仕様のコンテンツを用いている。LIMEは、ITU-Tの定めたIPTVの標準化勧告のうち端末に関するH.700シリーズの勧告の一つで、IPTVの端末画面に関するH.762勧告。双方向コンテンツ作成のためのHTML、ECMAScript、CSSのプロファイルを規定している。HTBが過去に開発したLIMEアプリケーションは、2011年の「ITU IPTVアプリケーション国際コンテスト」で「Honourable Mention – Value to Society – Corporate」を受賞している。

 この映像配信実験は、JGN-Xと相互接続可能な様々な国のサービス事業者や研究機関・大学などとの間で映像配信の実験を行い、ITU-TのIPTV標準を普及させることを目的とするという。今後、IPTVの導入を検討している国のサービス事業者などの要請に応じて2015年3月末までに10カ国程度までネットワークを拡張することを計画している。

 実験の一環として、11月20日から21日にスイスのITU本部およびアラブ首長国連邦ドバイで開催する「ITU世界電気通信標準化総会(WTSA 2012)」で映像配信展示を行う。

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