写真●2013年2~3月に発売するLTE対応のAndroidスマートフォン(写真は開発中の端末イメージ)
写真●2013年2~3月に発売するLTE対応のAndroidスマートフォン(写真は開発中の端末イメージ)
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 イー・アクセスは2012年11月12日、2012年4~9月期決算を発表した。売上高は前年同期比12.3%増の1084億6500万円、営業利益は同35.8%減の86億1000万円の増収減益だった。説明会に登壇したエリック・ガン社長は「ほぼ計画通り。売上高成長率は12%と(大手4社の中で)我々が最も高く、ARPU(契約当たり月間平均収入)の下落率も-4%と最も低い」と総括した。

 第2四半期(7~9月)の純増数は前年同期比49.2%減の12万1000件で、累計契約数は425万9000件に拡大した。このうち、3月に始めたLTEサービスの契約数は約52万件。ARPUは同0.7%減の2710円、解約率は1.53%だった。減益の主な要因は、販売変動費(15億円増)や販売固定費(30億円増)、顧客維持費など(93億円増)が増加したため。ただ、モバイル事業の営業利益は改善しており、広告費や販促費も減少傾向にある。

 ソフトバンクとの経営統合(関連記事)については、株式交換の効力発生日が従来の2013年2月末から、2013年1月1日に早まる予定。現状では12月7日に臨時株主総会を開き、12月26日に上場廃止となる見通しである。ソフトバンクモバイルとのネットワークの相互利用は来年3~4月をメドとしており、株式交換が終わってから本格的に詰める。

 イー・モバイルのブランドや中期事業戦略は統合後も維持する。大きな組織変更は予定せず、役員はイー・アクセスから3人、ソフトバンクから2人の計5人とする。LTEの設備投資計画も変更なく、9月末時点で60%の人口カバー率を2013年3月末までに70%まで拡大し、来年度の早い段階で80%に引き上げる。ただ当初予定していた抜本的なコスト削減計画を止めており、今年度に予定していたイー・モバイルショップの拡充計画もペースを落としているという。

 イー・アクセスは同日、LTE対応のAndroidスマートフォンを2013年2~3月に発売するとも発表した(写真)。端末は中国華為技術(ファーウェイ)製で、4.7型液晶にクアッドコアCPUを搭載。モバイルFeliCaやテザリングも利用できる。下り最大150Mビット/秒の伝送速度を実現するLTEの「カテゴリー4」に対応するが、同速度の実現には新たな周波数の獲得が必要で「3月の時点では厳しい」(ガン社長)との見通しを示した。3G通信に関しては同社の1.7GHz帯周波数だけでなく、ソフトバンクモバイルの2GHz帯もつかめる仕様になる。