写真●「Visa payWave(ビザ・ペイウェーブ)」対応ICモジュール内蔵カードのイメージ
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 東芝は2012年11月12日、非接触決済方式「Visa payWave(ビザ・ペイウェーブ)」に対応したプラスチックカード埋め込み用のICモジュール「FSΣ21V」(写真)を新たに開発し、同日から販売開始すると発表した。Visa payWave対応のモジュールを発売するのは国内メーカーとして初めて。主にカード提供者向けに販売する。

 また同日から、「MasterCard PayPass(マスターカード・ペイパス)」に対応したICカード用モジュールの新製品「FSΣ21M」も販売開始する。東芝はこれまでにもMasterCard PayPass向けのモジュールを販売していたが、従来製品比で処理時間を3分の2程度に短縮した。

 東芝は、国際的に有力なVisaとMasterCardの2大ブランドに対応したICモジュールをそろえたことになる。「FSΣ21V」「FSΣ21M」を合わせた非接触決済用モジュール分野において、2013年度に全世界で200万枚分の販売を目指す。

 Visa payWaveとMasterCard PayPassは共に非接触クレジット決済方式で、アジアや欧米で加盟店が増え始めている。非接触ICカードの国際標準規格であるISO/IEC14443と、その互換規格でスマートフォンなどのモバイルデバイスに搭載するNFC(近距離無線通信)に対応している。NFC機能搭載のモバイルデバイスは急速に普及しており(関連記事1関連記事2)、これに対応したVisa payWaveとMasterCard PayPassも普及が加速するとみられる。

 日本ではNTTドコモの「iD(アイディ)」や、JCBなどが展開する「QUICPay(クイックペイ)」といった国内独自ブランドの非接触決済加盟店が多く、既に主要コンビニエンスストアやスーパー、外食店などで使えるようになっている。現時点ではVisa payWaveやMasterCard PayPassの加盟店はほとんどない。ただし、NTTドコモとマスターカードは2012年10月に業務提携を発表しており、今後はグローバルブランドの普及が進む可能性がある。

[東芝の発表資料]