米Wall Street Journalは現地時間2012年11月9日、加入者数で中国第3位のChina Telecom(中国電信)が、まもなく米Appleの新型スマートフォン「iPhone 5」の販売を始めると報じた。第18回中国共産党大会に合わせて行われた短い会見で、China Telecomの王最高経営責任者(CEO)兼会長が、「11月下旬、あるいは遅くとも12月初旬にも販売する」と述べたと伝えている。

 Wall Street Journalによると中国では早くからiPhoneを販売してきた同国第2位のChina Unicom(中国聯通)と、2012年3月からiPhoneを販売しているChina Telecomが、最新モデルのiPhone 5について当局からの承認を待っている段階。一方で同国第1位のChina Mobile(中国移動)はこれまで何度もiPhoneの取り扱いについてAppleと協議していると報じられたが、いまだ両社から正式な発表はない(関連記事:「iPhone 4S」、中国で2社供給体制に、China Telecomが販売開始)。

 同国では中流層の増加でiPhoneのような高価格帯の端末の需要が旺盛で、Appleにとって重要な市場となっている。そうした中、米Googleの「Android」搭載スマートフォンが市場シェアを伸ばしており、Wall Street Journalは「iPhone 5の販売が先にずれ込むほど、顧客はAndroid端末に流れていく」と伝えている。

 中国の調査会社Analysys Internationalによると、2012年第2四半期(4~6月)の同国におけるAndroid搭載スマートフォンの市場シェアは59%で、前年同期の41%から拡大した。Android端末は350万台販売されたが、iPhoneは230万台だった。

 また先頃Appleが公表した年次報告書によると、2012会計年度における中国市場の売り上げは227億9700万ドルで、全売上高の14.5%を占めた。Appleで売上比率が2桁台に達しているのは米国以外では中国だけとなっている。